堕落と恐怖の平安時代
第6巻は、優雅な貴族社会と思われている平安時代の、驚くべき「裏歴史」を明らかにする。
藤原氏の権力欲はとどまることを知らず、妨げになるものは皇族さえも抹殺した。律令制の矛盾を是正しようと奮闘していた名宰相・菅原道真をも大宰府に追いやってしまったのだ。自分さえよければ、国のことなどどうでもいいのである。そして己の保身しか考えないほかの貴族たちは、藤原氏にすり寄ろうとやっきになっていた。この時代は、陰謀、恨み、妬み、祟りが渦巻いていたのである。
これほどまでにして日本を私物化した藤原氏だが、道長の時代を頂点に坂道を転がり落ちていく。なぜ藤原氏は衰退したのか。そして、この混乱の中で天皇が繰り出した復活の切り札とは何か?
古代史の真実を解き明かす、壮大なシリーズがついに完結!
【編集担当からのおすすめ情報】
菅原道真は学問の神様で、学者だったと思っている人が多いと思います。しかし、実は矛盾だらけの徴税システムや統治システムを改革した大政治家だったと近年評価されています。その道真を太宰府に追いやり、手柄を横取りしたのが藤原氏だったのです。道真が祟ったのも当然でしょう。道真の祟りを怖れ、藤原氏は必死で祀りますが、一方で権力を握るための策謀は続くのですから驚きです。そんな藤原氏と天皇家、そして台頭してきた武家が三つ巴になった、平安400年の「人間の悲しい性」が綴られます。