矢代が大正十年、欧州留学時に初めて出逢った名画について鮮烈な思いを綴ったエッセイ。
フィレンツェ、ベニスでの美しい風景への賛辞を織り込みながら、ダ・ヴィンチ、ボティチェリ、ラファエロ、ゴヤなどの巨匠へオマージュを捧げる、
自然美並びに芸術美に対する憧れを保ち続けた美術史家の原点を、窺い知ることができる。
〈解説〉越川倫明
レオナルドに逢う日
悲しき眸
緑色のショパン
本寺の陰影
ダラムの花
アッシシの鐘声
スペインの誘惑
ゴヤの女
アンダルシアの踊り
カルヴェの歌うハバネラ
「窓の少女」
太陽を慕ふ者
フィレンツェの生活のうち
願い
銀色の靄
「夜」の眠り
女の話
春
「進軍」
アルプス山中
パオロとフランチェスカ
ヴェニスへ行く人
フィレンツェの思い出
春より夏へ
フィレンツェの伝説
ギリシアの今頃
名画物語
序 芸術と心
ラファエロ筆「聖(サン)シストの聖母」
聖(サンタ)マリア・ノヴェラ寺の聖母
アルビェラとジォヴァンナ
フラ・アンジェリコ筆「受胎告知」
モンナ・リザの微笑
日本の秋