折りにふれて書かれた、厖大な量のエッセイから厳選した七十一編。森羅万象への深い知見、序文や跋文に光るユーモアとエスプリ、長文に流れだす、人間存在へのあるれるような愛情と尊敬。
目次
新春漫語
綿菓子
普天の下
笑えない理由
心のための機関
古本の街のいまむかし
駅前の書店
学生時代の私の読書
つたなき五官
昇降機(エレベーター)
私の播州
活字の妖精
自作発見『竜馬がゆく』
火のぐあい成瀬書房版『故郷忘じがたく候』後記
『翔ぶが如く』について
官兵衛と英賀(あが)城
『この国のかたち』について
文化と文明について
概念! この激烈な
日韓断想
バスクへの尽きぬ回想
人間について
天人になりぞこねた男
大垣ゆき
宇和島人について
博多承天寺雑感
米朝さんを得た幸福
魚の楽しみ『湯川秀樹著作集』が出ることをきいて
本の話新田次郎さんのことども
若いころの池波さん
弔辞藤澤桓夫先生を悼む
弔辞山村雄一先生を悼む
二十年を共にして須田剋太画伯のことども
井伏さんのこと
非考証・蕪村 毛馬
非考証・蕪村 雪
『三四郎』の明治像
渡辺さんのお嬢さん子規と性について
沈黙の五秒間私にとっての子規 ほか
〈解説〉 書くこと大好き人間ここにあり 山野博史