25の国と地域で翻訳決定。話題沸騰の芥川賞受賞作がついに文庫化。
仏メディシス賞の「外国小説部門」最終候補にノミネート!
【2025英・国際ブッカー賞】【2025全米図書賞・翻訳文学部門】ロングリストに選出。
私の身体は生きるために壊れてきた。―—
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」と呟く。
ある日、グループホームのヘルパー・田中に、そのアカウントを知られていることが発覚し――。
【文庫版の特徴】
・ルビを大幅に増やしました。
・著者が執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井裕樹氏との往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」(「文學界」2023年8月号)は、大変話題となりましたが、今回新たな書簡を特別付録として追加し、全文を巻末に収録しました。
【文庫化によせて――著者からの言葉】
小さな部屋で主人公の釈華がつむいだ言葉たちは、解き放たれるや海を越え20カ国以上の人々に読まれて、みんなの心をざわつかせているらしいです。
その驚異的な爆発力を持った物語が、いよいよ文庫になって皆様のお手元に届きやすくなりました。
こんなにコンパクトな一冊の本が、あなたの心に大事件を起こすとしたら、ものすごくコスパがいいと思いませんか!
世界に遅れず『ハンチバック』の衝撃を味わうなら今です、今!