SNS・動画プラットフォームを舞台にした「コンテンツ・モデレーション」(情報の選別や削除)の現状を、
情報法の第一人者が平易に解説。これからの社会に必要なネット上の法制度についても展望する。
ビジネスやプライベートでSNSを使う人、必携の一冊。
(以上を太字に)
私たちは日々、XやYouTubeをはじめとするネット上の媒体を通じ、誰かが選び、排除したネット情報を視聴しています。ネット上に流れるこうしたさまざまな情報は、どのような基準で選別されているのでしょうか。SNSや動画コンテンツが情報の主戦場となった現代、タイムラインに表示されるニュース、レコメンドに流れてくる動画などを提供するプラットフォームの社会への影響力は、ますます強まっています。
本書の主題となる「コンテンツ・モデレーション」とは、オンライン上の投稿や動画を選別したり、削除・非表示にしたりするプロセスのこと。そこには政府による規制とイノベーション、企業の利益と公共性、言論の自由と社会的秩序など、複雑な価値の対立が拮抗しています。
本書では、EU・アメリカ・日本という三つの地域でそれぞれ大きく異なる「コンテンツ・モデレーション」の知られざる現状を、法規制や「言論の自由」に対する考え方の違いも含め、情報法の第一人者が、平易に解説。さらに、これからの日本がとるべき法制度についても展望します。
【はじめに】より
情報は現代社会の生命線です。プラットフォームを通じて届けられる情報は、今後ますます重要になってくるでしょう。誰がどのようなルールを定めるかによって、社会のあり方も大きく変わるかもしれません。一方、「現代の言論統制」ともいえる「コンテンツ・モデレーション」を、誰がどのようにコントロールするのかについては、どの国もまだ試行錯誤の状態です。
プラットフォームの問題はプラットフォーム上のコンテンツをいかに適正化するか、ということにとどまりません。実際に特定のプラットフォームを使わざるを得ない状況を考えれば、その影響力はさらに大きくなるでしょう。こうした状況に対し、プラットフォームが提供するサービスや、収集している膨大な情報について、どのようなルールを定めるべきかという問題にも注目が集まっています。
プラットフォームに社会がどのように責任を求めていくかという問題は、インターネットを利用するすべての人に重大な影響を及ぼします。日本でこうした新しい問題への対応を検討する際には、ヨーロッパやアメリカの議論や制度がよく参照されます。しかし、この問題に対する考え方が、国や地域によって全く異なるということは、あまり知られていないのではないでしょうか。
本書では、各国の制度の特徴とその背景を比較して、これからの日本にはどのような制度が必要なのかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。