「こんないい加減なもの、今すぐやめろ!」
「うちは、町の発明家じゃないんだぞ!」
「もういい。おまえは出ていけ!」
誰も見たことのない"怪しい道具"に不審を抱く経営陣。
開発者たちが浴びたのは、6年にもわたる「ダメ出し」の連発。
いっそ、会社辞めて独立しようか?
GOサインのないままテスト販売を強行、裏でひそかに進む全国発売の準備。
開発者たちをここまで突き動かしたものは何なのか?
絶対に負けられない戦いが始まった――。
最後の最後まで、経営陣から正式な「GOサイン」をもらえなかった「ダメ出し商品(クイックルワイパー)」を、開発者たちはいかにして全国発売までこぎ着け、やがて世界で累計6200万本も販売するという"革命的商品"へと変貌させたのか。本書につづられた、巨大企業を動かす人間同士の生々しい「挑戦の物語」を通し、モノづくりの面白さ、イノベーション、日本が世界で勝負するためのヒント、そして今注目が高まっている「エフェクチュエーション」を理解することができるでしょう。失敗が怖くて前に踏み出せないとき、物事が思うように運ばないときにも、立ち向かう勇気がもらえる1冊です。