2017年に「楽しもう家政学」を発行以来7年が経ちました。この間、大学では家庭科専攻コースのテキストとして、また、家庭科関係方面では読み物として、多くの方々に愛読されてきましたが、7年の間には、生活や社会は変化してきています。その変化に合わせて、このたび、タイトル・内容とも新たにして、「育もう家政学」を発行することになりました。
本書の「はじめに」では、次のように述べています。
『私たちの生活は、「今日よりも明日のほうがよりよくなるように」と願って発展してきました。一方、最新の技術に支えられ、たくさんのモノや情報に囲まれた生活の中で、何をどう選べばよいか、そして大切なものが何かもわかりにくくなっています。
「よりよく生きること」の答えは、人それぞれで、社会によっても時代によっても異なることでしょう。本書は、家政学という学問が、その道しるべの1つになることを願ってつくられました。』
本書は、以下の序章と12章で構成されています。さらに、各章にはコラムもあります。
序章 生活こそは万物の基礎である
第1部 命をはぐくむ
第1章胎児の命は誰のものか
第2章大切な人を失う
第3章からだをつくる 命をつなぐ
第2部 人とつながる
第4章高齢者が地域で暮らすということ
第5章人がよりよく生きる「生」に向かって
第6章食べる形と「Co―食の場」
第3部 暮らしをつくる
第7章地球に寄り添う衣服の一生
第8章食卓での家族団らんの歴史と今後
第9章住まいの権利を考えよう
第10章高齢期と住まいや暮らし
第11章憂いあるから備えありの人生設計
第12章今こそ家庭科―人生100年時代の学びは家政学から?―
これらの中では、現代の家庭生活の様々な挑戦や学びの視点が紹介されています。それらの事例から、これからの家庭生活に問いかけていることは何かを考えていくヒントとなることでしょう。
「家政学」を誰にもわかりやすく、身近な生活に寄り添うように編集された本書は、大学のテキストに最適で、家庭科関係者必読の1冊です。