子どもは安定した大人の前でしか、泣けないのです。
ですから「ちゃんと泣ける子に育てよう」というメッセージは、私たち大人が苦しみや痛みから逃げないでいこうというメッセージでもあります。
幼い子どもたちの感情の発達は、確かに危機的な状況にあるといえます。 そしてその危機は、残念なことに、決して他人事ではなく、一生懸命よい子 に育てたいと思って、ごくふつうに子育てをしている親子関係の中にも起こっているのです。(略)思いやりのある子、やさしい子に育つてほしいと願えば願うほど、子どもたちは感情をコントロールできない子どもに育って しまう。それが今の時代の子育ての現実なのです。(はじめにより)
第1章 感情はどのようにして育つのか?
第2章 子どもの「心の問題」
第3章 はどのようにして生まれるのか?
第4章 学校でみられる子どもたちの危機の姿
第5章 いまから親にできること
第6章 大人の義務と責任