パタゴニアの火山からジンバブエのマトボ国立公園まで、そして北極圏近くの極寒のツンドラ地帯からドバイの砂漠の豪華な鳥小屋まで、自然界で最も美しい生き物を自分のものにしたいという破壊的な衝動にとらわれた、無謀で傲慢な男を追い求める。これは、実際に起きた犯罪の物語であり、壮大な冒険譚であり、最後のページまで息をつかせない
イギリスはバーミンガムの空港で、稀少なハヤブサの卵を密輸しようとした男が捕らえられる。取り調べを担当するは、野鳥の密輸取引撲滅を目指す国家野生生物犯罪部の捜査官。一筋縄ではいかない犯人との攻防を軸に、なぜハヤブサが絶滅危惧種となったのか、さらに闇取引の背景にある鳥の卵コレクターや中東の富裕層が今も楽しむハヤブサレースなど、知られざる野鳥取引をめぐる世界が臨場感たっぷりに描かれる。
四大陸を股にかけたハヤブサ泥棒の足跡を追う、国際的ジャーナリストによる手に汗握るノンフィクション。