はしがき[佐藤邦政]
Ⅰ 基本的概念
第1章 認識的不正義の展開[佐藤邦政]
はじめに
1 認識的不正義の特徴
2 解放的方法論
3 非理想的方法論
4 制度・組織論的方法論
おわりに
第2章 認識的不正義の分類[榊原英輔]
はじめに
1 認識的不正義の四象限
2 受信者としての認識主体に対する構造的な不正義
3 発信者としての認識主体に対する交流的な不正義
4 発信者としての認識主体に対する構造的な不正義
5 受信者としての認識主体に対する交流的な不正義
6 四象限に収まらない認識的不正義の例――形成的な認識的不正義
おわりに
第3章 認識的不正義の害[吉川千晴]
はじめに
1 証言的不正義の一次的害
2 認識的悪徳
3 誤承認
4 認識的裏切り
おわりに
第4章 認識的不正義の是正[飯塚理恵]
はじめに
1 徳論的な是正策
2 潜在的バイアスと認識的不正義
3 徳論的な是正策と制度的な是正策
4 集団・制度の徳
おわりに
Ⅱ 認識的不正義と哲学分野
第5章 認識的不正義と認識論[笠木雅史]
はじめに
1 認識的規範性と倫理的規範性
2 認識的不正義における規範の衝突
3 規範の衝突への応答
第6章 認識的不正義と倫理学[小林知恵]
はじめに
1 フリッカーの認識的不正義論と規範倫理学
2 フリッカーの認識的不正義論とメタ倫理学
3 認識的不正義研究が倫理学に与える示唆
おわりに
第7章 認識的不正義と言語哲学[三木那由他]
はじめに
1 マンスプレイニング
2 コミュニケーション特有の不正義の探求
3 コミュニケーション的不正義に向けて
おわりに
第8章 認識的不正義と政治哲学[神島裕子]
はじめに
1 政治哲学における認識的不正義
2 政治的自由の条件としての認識的正義
3 民主主義のための認識的正義
おわりに
第9章 認識的不正義と現象学[池田 喬]
はじめに――認識的不正義と人種化の現象学
1 知覚と感受性――フリッカーのマクダウェル解釈の補正
2 知覚と自己理解――偏見と集団帰属という観点
3 フリッカーの歴史的偶然性への異議――利益の獲得としての差別という観点
4 習慣の変容への現象学的アプローチ――状況の創出
おわりに
Ⅲ 現場の実践で起きている認識的不正義
第10章 認識的不正義と性暴力被害[佐々木梨花]
はじめに
1 本章における認識的不正義の捉え方
2 性暴力を取り巻く語らせない認識的不正義
3 性暴力を取り巻く語らせる認識的不正義
4 総括と示唆――何を語りたくて、何を語りたくないか
第11章 医療における認識的不正義[榊原英輔]
はじめに
1 医療現場で生じうる認識的不正義のタイプ
2 医療における認識的不正義は何によって生じるか?
3 医療における認識的不正義を論じる際の注意点
4 認識的害あるいは認識的不正義を軽減する方法
おわりに
第12章 当事者研究とコ・プロダクション[熊谷晋一郎]
はじめに
1 解釈的正義と当事者研究
2 貢献的・証言的正義と研究の共同創造
3 認識的正義と自伝
おわりに
第13章 水俣を見てしまった責任[吉川 孝]
はじめに
1 水俣病の認定をめぐる不正義
2 証言的正義の徳
3 偏見の中和をめぐって
4 責任をめぐって
5 熊本に住む医師という立ち位置
おわりに
第14章 入管行政における認識的不正義[岸見太一]
はじめに
1 職場としての入管収容施設
2 拘禁施設における認識的不正義
3 看守勤務職員における認識的不正義
4 医療従事者における認識的不正義
5 証言的不正義と解釈的不正義の悪循環と訴えの封殺
6 認識的不正義の是正策
あとがき[佐藤邦政・神島裕子・榊原英輔・三木那由他]
事項索引
人名索引