はしがき
第Ⅰ部 ペルソナ
第一章 両義性とあいまいさ――レーヴィットの共同相互存在論の主要な着想
1 精神と自然――フォイエルバッハ哲学の受容と展開
2 人間の「生動的なありかた」にもとづく共同相互存在の両義性
第二章 道具と他者――ハイデガーの存在論に対するレーヴィットの批判的応答
1 ハイデガーの周囲世界分析
2 レーヴィットの共同世界分析――周囲世界に対する共同世界の優位
3 「ひと」としての現存在と「ペルソナ」としての共同相互存在
4 本来的な関係は対話によって構築される――自己目的性から応答可能性へ
第三章 仮面と素顔――『(あなたがそう思うならば)そのとおり』解釈の再考
1 仮面と素顔
2 レーヴィットとピランデッロの哲学的主題の差異
3 特権的な二者関係という焦点――「私」と「きみ」の自立的関係
第Ⅱ部 対話
第四章 対話の構造と応答責任のありかた
1 日常的な「語り」――「互いに共に語りあうこと」の根本構造とその頹落
2 関係の本来的な意義としての「対応」と「出会い」
3 本来的な「語り」――「互いに共に語りあうこと」の責任あるありかた
4 責任の形式的意味から実質的意味へ
第五章 対話の根源的意味――語りえないものを伝達すること
1 相互規定性と自己の問題――トイニッセンのレーヴィット批判
2 対話に内在する目的としての対話の根源的意味
3 対話の相互性と「きみ自身」の問題――トイニッセンの解釈再検討
第六章 人間の人格性と自然性――感性的コミュニケーションの意義
1 人間の両義的な存在体制――「人格」と「自然」の二重の自立性
2 カントの実践哲学の二人称的解釈
3 人間の自然性の積極的意義――非随意的コミュニケーションの基盤
4 人間を両義的に把捉することの妥当性――他者との関係の基盤にある自己への問い
第Ⅲ部 相互承認と自立性
第七章 相互承認の構造――相互承認はいかにして可能なのか
1 「私」の自由意志にもとづく他者の承認
2 カントの友情論を援用した共同相互存在の自立性の解釈
3 承認の相互性と動機をめぐる問題
第八章 語りえないものとしての唯一性
1 相互に語りうるものとしての「私」と「きみ」の自立性
2 語りえないものとしての「私」の唯一性
3 「きみ」の唯一性と相互承認――「語りえないもの」に基礎づけられた対話的関係
終 章 共同相互存在論と現代――ケアの倫理、感情、傷つきやすさ
1 両義的な生を生きる――感情と承認の問題
2 「親密さ」と「傷つきやすさ」――バトラー「暴力、哀悼、政治」を手がかりに
3 「傷つきやすさ」にもとづく相互承認
4 「親密さ」と相互承認の拡張の可能性
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引