序章 どのように国際政治のパズルを解くのか――理論的事例研究のススメ
はじめに
1 国際政治学における理論研究の意義と定性的手法の役割
2 東アジアの事例を分析する意義と本書の構成
第1章 国家はどのように同盟の分断と結束を目指すのか――冷戦初期の中ソ同盟とアメリカの戦略
はじめに
1 構造的リアリズムへの批判
2 動態的同盟理論とは何か
3 事例分析――中ソ同盟の形成と崩壊
おわりに
第2章 なぜ東アジアにハブ=スポーク型同盟が形成されたのか――ネットワーク連関と同盟システム
はじめに
1 多国間同盟不在の説明とその限界
2 SENETアプローチの同盟政治への応用
3 事例分析――同盟模索の過程を追跡する
おわりに
第3章 なぜ北朝鮮は超大国に攻撃的態度をとるのか――「弱者の恫喝」と安全保障依存の論理
はじめに
1 小国の「非合理性」と「弱者の恫喝」
2 非対称的強制の理論的説明
3 事例の特徴と仮説の検証方法
4 北朝鮮のソ連およびアメリカに対する行動
おわりに
第4章 弱者による強者への「アメ」の政策はなぜ成功したのか――ソ連・中国に対する韓国の北方外交
はじめに
1 「アメ」の政策研究
2 研究デザイン
3 事例分析――北方外交の過程を追跡する
おわりに
第5章 日本の「戦後平和主義」とは何だったのか――安全保障政策に対する規範的・現実主義的制約
はじめに
1 日本の反軍主義をめぐる論争――先行研究の批判的検討
2 日本の反軍主義の構成要素――折衷主義モデルと研究デザイン
3 事例分析――規範的要因と現実主義的要因の検証
おわりに――安全保障政策の変容と折衷主義モデルの有用性
第6章 なぜ日本の北朝鮮外交は失敗したのか――国内要因からの分析
はじめに
1 2つの国内要因と外交政策
2 事例分析――2001年以降の日本の北朝鮮政策
おわりに
第7章 米中2極の東アジアは「安定的」なのか――米ソ冷戦と2極安定論で考える
はじめに
1 中国の台頭と国際システムに関する論争
2 2極安定論の因果メカニズムと米ソ冷戦
3 米ソ冷戦の「永い平和」と米中「新冷戦」の安定性
おわりに
終章 歴史研究と理論研究のあるべき関係とは――国際政治をよりよく理解するために
はじめに
1 歴史研究と理論研究の統合論とその背景
2 理論研究と歴史研究の「統合」の問題点
3 歴史分析と理論分析はどう違うのか――日ソ国交正常化交渉研究を事例に
4 「対話のある棲み分け」と相互尊重に向けて
おわりに
あとがき
事項索引
人名索引