第1章 いま,なぜ「日本人の正義観」なのか
1.何を扱い,どのように分析するのか
2.分配的正義論の系譜──超限定的概略
3.本書の構成
第2章 どのような人がどのような分配原理・基準を選好するのか
1.本章における分析の枠組み
2.分配の原理・基準への選好とその規定要因
3.まとめ──社会的態度の重要さ
第3章 分配的正義観の次元構造──次元上の立場を規定するもの
1.分配的正義観はどのような構造を成しているのか
2.5つの次元上の立場を規定する要因
3.各要因群の影響パターン
第4章 何が剥奪感・社会的態度・哲学的立場を規定するのか
1.相対的剥奪感とその規定要因
2.権威主義・社会的支配志向・カオス欲求・左右イデオロギー
3.哲学的立場の規定要因と文脈依存性
第5章 分配的正義観に関連するさまざまな意識──ケアの倫理・経済的価値の源泉・人生の成功要因
1.ケアの倫理と正義観
2.経済的な価値の源泉に関する認知
3.人生の成功要因に関する認知と評価
第6章 どのような正義観を持つ人がどのような政治理論を志向するのか
1.政治理論的志向の測り方
2.政治理論的志向の次元構造
3.3つの次元上の立場を規定する要因
第7章 どのような正義観を持つ人がどのような政策・政党を支持するのか
1.分配的正義観が政策選好に与える影響
2.分配的正義観が政党支持に与える影響
第8章 正義観の分断線と日本の民主主義──本書の意義と今後の課題
1.本書の実証研究としての意義
2.規範的理論へのフィードバック
3.正義観の分断線と日本の民主主義
4.残された課題
補遺 分析に使用したデータおよび質問項目
1.本書で使用するデータ
2.分析に使用する質問項目
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引