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SDGsは実現できるのか

SDGsは実現できるのか

岩崎 正洋 (編集)
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商品説明
2030年の達成期限が迫るSDGsに求められるものとは。実践的な側面にばかり目が行きがちなSDGsを学術的にとらえなおす。

SDGsは多くのメディアを通じて周知され、国、自治体、企業、学校など、あらゆるレベルでの共同や実践が求められている。本書はそうした現状において、SDGsについて改めて考えることの重要性を強調する。社会科学と人文科学の視点から、今まで手つかずだった部分を議論し、容易には語りつくせぬ問題であることを明らかにする。
目次
序 章 改めてSDGsについて考えるのはなぜか[岩崎正洋]
 1 今なぜSDGsに注目するのか
 2 SDGsに至るまで
 3 SDGs研究の空白地帯
 4 本書の構成

第1章 法学部で、SDGsから考える 法律学からSDGsを捉えるヒント[松島雪江]
 1 法哲学×持続可能な成長目標?
 2 何のための/誰のための/誰が決めた持続可能な目標?
 3 惨事便乗型SDGsにならないために
 4 法律学から見た「正しさ」のいろいろ
 5 パンデミックで失われたもの、見えた構造
 6 法学部で、SDGsから学ぶ

第2章 医学部入試問題から考える民法におけるジェンダー平等[加藤雅之]
 1 ジェンダー平等と民法の役割
 2 差別に対する民法の対応
 3 医学部入試における女性差別問題
 4 SDGsを契機とした民法の再検討の必要性

第3章 メディアにおける「ジェンダー平等」の可能性と困難 テレビ・ニュース番組のジェンダー分析を中心に[米倉 律]
 1 「オールドボーイズクラブ」からどう脱却するのか
 2 “ジェンダー後進国”日本のメディア
 3 ニュース報道の社会的影響とジェンダーバイアス
 4 女性がメインキャスターを務めるニュース番組の台頭
 5 求められる社会全体での問題意識の共有

第4章 なぜ女性議員は増えないのか 選挙の仕組みがもたらすジェンダー不平等[浅井直哉]
 1 未来を選ぶのは誰か
 2 選挙制度と女性の当選
 3 比例代表制における女性
 4 「増えない」のか「増やさない」のか

第5章 なぜ企業には社会性が求められるのか 目標達成の基盤となるCSR[鈴木貴大]
 1 現代企業とSDGs
 2 CSRの概念規定と歴史的展開
 3 CSR(ISO26000)とSDGsの関連性
 4 SDGsの実践に向けた課題
 5 “beyond SDGs”に向けて企業に求められるもの

第6章 資源ロス減でブランドパワー増を生む知的財産戦略とは SDGs下の循環型経済におけるブランド力[加藤暁子]
 1 資源ロスはブランドパワーの影か?
 2 知的財産を利用したブランド構築と資源ロス
 3 SDGs実現を目指す循環型経済における資源ロス対策を通じたブランド構築の取り組み
 4 循環型経済における「修理する権利」と知的財産権の調整
 5 資源ロスをあきらめない知的財産制度へ

第7章 平和のための文学 レジリエンスと新たな跳躍[真道 杉]
 1 戦争の記憶を継承する文学
 2 「レジリエンス」と文学
 3 アイヒンガーの生い立ちとナチス時代の「歪み」
 4 1946年に書かれた作品
 5 「U.S.」(U.S.)
 6 「若い詩人」(Junge Dichter)
 7 「シュテファン・ツヴァイクをお願いします!」(Bitte Stefan Zweig!)
 8 「愛する敵よ!」(Geliebter Feind!)
 9 「不信声明」(Aufruf zum Mistrauen)

第8章 SDGsの進捗状況をどのように評価するのか[杉浦功一]
 1 SDGsの進捗状況の評価という課題
 2 持続可能な開発目標(SDGs)と評価のメカニズム
 3 SDGsの進捗状況
 4 SDG 16(平和と公正)の評価とデモクラシー
 5 SDGs達成へ向けた進捗状況の評価の課題

第9章 どうすれば「ゴール」に辿りつけるのか 多様なアクターによる協働[福森憲一郎]
 1 問題解決へと導くのは誰か
 2 様々なレベルの「ガバナンス」
 3 ローカルな場での協働
 4 ローカル・ガバナンスを妨げるもの
 5 日本における持続可能なまちづくり
 6 協働をめぐる今後

第10章 アナーキーな世界のワクチン格差 そして条約へ[小松志朗]
 1 菅首相の直談判
 2 SDGsからみたワクチン格差
 3 ワクチン格差の経済的・政治的要因
 4 COVAXというチャレンジ
 5 このアナーキーな世界の片隅に

あとがき
索 引
執筆者紹介

岩崎正洋(いわさき まさひろ)
日本大学法学部教授。東海大学大学院政治学研究科博士課程後期修了。博士(政治学)。著書に『比較政治学入門』(勁草書房、2015)、『日本政治とカウンター・デモクラシー』(共編著、勁草書房、2017)、『議会制民主主義の揺らぎ』(編著、勁草書房、2021)、『ポスト・グローバル化と政治のゆくえ』(編著、ナカニシヤ出版、2022)、『コロナ化した世界』(編著、勁草書房、2024)ほか。

松島雪江(まつしま ゆきえ)
日本大学法学部教授。日本大学大学院法学研究科修了。著書に『法律学的対話におけるドイツと日本』(分担執筆、信山社、2006)、『アイデンティティの政治学』(共訳、日本経済評論社、2005)ほか。

加藤雅之(かとう まさゆき)
日本大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科修了。著書に『判例講義民法Ⅱ債権 新訂第3版』(分担執筆、勁草書房、2023)、『法典とは何か』(分担執筆、慶應義塾大学出版会、2014)ほか。

米倉 律(よねくら りつ)
日本大学法学部教授。早稲田大学大学院政治学研究科修了。著書に『災後テレビドラマ論』(青弓社、2025)、『「八月ジャーナリズム」と戦後日本』(花伝社、2021)、『想起する文化をめぐる記憶の軋轢』(分担執筆、明石書店、2023)ほか。

浅井直哉(あさい なおや)
日本大学法学部准教授。日本大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。著書に『政党助成とカルテル政党』(勁草書房、2023)、『日本の連立政権』(分担執筆、八千代出版、2018)、『カルテル化する政党』(共訳、勁草書房、2023)ほか。

鈴木貴大(すずき たかひろ)
日本大学法学部准教授。明治大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。著書に『経営倫理の理論と実践』(文眞堂、2021)、『合理性から読み解く経営学』(分担執筆、文眞堂、2021)ほか。

加藤暁子(かとう あきこ)
日本大学法学部教授。国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。著書に『パンデミックと医薬品供給の法的問題』(分担執筆、勁草書房、2025)、『講義国際経済法』(分担執筆、東信堂、2018)ほか。

真道 杉(しんどう すぎ)
日本大学法学部教授。日本大学大学院文学研究科修了。著書に『縛られた男』(共訳、同学社、2001)、Konstellationen osterreichischer Literatur: Ilse Aichinger(共編著、Bohlau、2024)ほか。

杉浦功一(すぎうら こういち)
文教大学国際学部教授。神戸大学大学院国際協力研究科博士課程修了。博士(政治学)。著書に『変化する世界をどうとらえるか』(日本経済評論社、2021)、『民主化支援』(法律文化社、2010)ほか。

福森憲一郎(ふくもり けんいちろう)
日本大学法学部専任講師。日本大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。著書に『政治に正解はあるのか』(分担執筆、日本経済評論社、2025)、『比較公共政策』(共訳、ミネルヴァ書房、2025)ほか。

小松志朗(こまつ しろう)第10 章
山梨大学大学院総合研究部准教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(政治学)。著書に『ポスト西洋世界はどこに向かうのか』(翻訳、勁草書房、2016)、『人道的介入』(早稲田大学出版部、2014)ほか。
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