生粋のジュラニアンによる至妙にして至極のエッセイ。
函館で過ごした新聞記者時代の青春、演劇熱が昂じての上京とパリ留学、華麗な交友関係やフランス文学をはじめとする読書傾向、報道班員として従軍した苛酷な大戦体験など、多面体作家・久生十の足跡を辿る。巻末に詳細な年譜を収録。
「十の作品、文章、そして言葉を読んでいると、頭で理解する以前に、わけのわからぬ感嘆詞が喉元にこみあげてくることがある。そんな身体的生理的変化にも惑わされて、久生十という森をさ迷い歩いてきた。」(「あとがき」より)
※ 本書は白水社刊『久生十』に大幅な加筆を行い全面的に再構成した増補改訂版です。
装幀:岡本洋平(岡本デザイン室)
装画:西山彰「銚子海岸に佇む久生十像」(木版画)