時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――
12か月のうちの〈10月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。
【目次】
町の鑑賞(鏑木清方)
花屋の窓(片山廣子)
十月〔「大和路・信濃路」より一〕(堀辰雄)
孔雀(三島由紀夫)
乖離(高祖保)
馬鈴薯からトマト迄(石川三四郎)
縫いぐるみの熊のための書(アンドレ・マルロー/堀田郷弘訳)
髪の話(魯迅/竹内好訳)
父の消防入り(ブルーノ・シュルツ/工藤幸雄訳)
開いた窓(サキ/中村能三訳)
ある娘の日記から(アントン・チェーホフ/松下裕訳)
落穂拾い(小山清)
ウェイクフィールド(ナサニエル・ホーソーン/酒本雅之訳)
十月のノクタアン(北園克衛)
十月の末(宮沢賢治)
星は北に拱く夜の記(稲垣足穂)
イギリスの秋に寄す(吉田健一)
謎(ウォルター・デ・ラ・メア/柿崎亮訳)
書棚(日夏耿之介)
私の机(岡本綺堂)
文鳥(夏目漱石)
雨の宿(岩本素白)
十月〔「大和路・信濃路」より二〕(堀辰雄)
青頭巾(上田秋成/西崎憲翻案)
跋 遠方の十月(西崎憲)