詐欺師とスパイは、どこか似ている
サスペンスの女王パトリシア・ハイスミスと、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレ。
2大巨匠の作品を、キャラクター造形に注目して読み解く本格評論!
ハイスミス作品屈指の人気キャラクター、田舎紳士に成り上がった詐欺師リプリーと、ル・カレの描く『スマイリー三部作』でイギリス紳士の素顔に仮面を着けて諜報機関に尽くすスマイリー。
自分を偽り、他人に成りすます、歪んだ世界の行く末は……?
第一部 トム・リプリー論
第一章 コンマン&ジェントルマン アメリカン・デモクラシーに背を向けた男トム・リプリー
第二章 『アメリカの友人』詐欺師たちのゲーム
第三章 『リプリーをまねた少年』告白の果て
第二部 ジョージ・スマイリー論
スパイはつらいよ「スマイリー三部作」を読み解く
第一章『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』熟練スパイの再雇用
第二章 『スクールボーイ閣下』チーフの職責
第三章 『スマイリーと仲間たち』最後の仕事