日本におけるファシズムを問う
第二次世界大戦において、ドイツ・イタリアと三国同盟を結んで
連合国(アメリカ・イギリスなど)と戦った大日本帝国は、
日本の軍国主義をもファシズムの一種とみなされ、ドイツやイタリアと同様の
ファシズム国家であると思われていた。
しかし著者は「第二次世界大戦中の日本における人々の表情の悲壮感は、
おそらく日本が当時のドイツやイタリアと異なり、
ファシズムではなかったことを示すものなのではないか」と考えた。
昨今、欧米先進国において、移民の排斥や民族主義的・ポピュリズム的行動が
顕著にみられる。
それに対してポリティカル・コレクトネスの運動や多様性を求めるリベラルの人々が
先進国のファシズム化の警鐘を鳴らしている。
しかしこれらは本当にファシズムなのか。
1960年代後半の学生運動に反発を感じていた著者が研究を重ねたどりついた
ファシズムの正体とは。
第一部 知っているようで知らないファシズ
第二部 【「経済人」の時代の終焉─全体主義の起源】を読む
第三部 ドラッカーのファシズム論(総括)
第四部 ファシズム雑考