平川彰著作集［7］浄土思想と大乗戒〈オンデマンド版〉

はしがき

第一篇　浄土教の研究
第一章　浄土思想の成立
一　浄土と清浄世界
二　中国における浄土教の成立
三　浄土三部経の問題点
四　むすび

第二章　浄土教の問題点
一　浄土教の苦行的一面
二　般若経の浄仏国土
三　世親の「安楽国」の理解
四　阿弥陀仏と極楽の仏教的吟味
五　易行の反面に潜むもの

第三章　浄土教の用語について
一　問題の所在
二　羅什と浄土の観念
三　浄土論の浄土の観念
四　浄土論註の浄土観

第四章　浄土教の成立の問題
一　問題の所在
二　浄土と清浄世界
三　浄仏国土と清浄世界
四　「浄土」の訳語と極楽浄土
五　浄土教の成立と曇鸞

第五章　阿弥陀仏の経典と仏塔
一　問題の所在
二　般舟三昧経の訳者
三　般舟三昧経の仏塔信仰
四　無量寿経類と仏塔信仰

第六章　観経の成立と清浄業処
一　問題の所在
二　漢訳パーリ論書と業処説
三　業処の観法と有部の教理
四　成実論と舎利弗阿毘曇論、その他
五　観念経との関係

第七章　如来蔵としての法蔵菩薩
一　法蔵菩薩阿頼耶識論
二　アーカラと如来蔵との関係
三　浄土思想と仏性
四　仏陀にたいする「信」の変容
五　如来蔵の「信」と法蔵の意味

第八章　阿弥陀仏と法蔵菩薩
一　法蔵菩薩以外の前生菩薩
二　阿弥陀経の阿弥陀仏
三　観無量寿経の阿弥陀仏
四　無量寿経の阿弥陀仏

第二篇　大乗戒の研究
第一章　初期大乗仏教の戒学としての十善道
一　問題の所在
二　三聚浄戒と大乗戒
三　初期大乗経典の戒学
四　般若経と十善道
五　十善道の内容
六　十地経の離垢地と十善道
七　無尽意菩薩品と首楞厳経の戒波羅蜜
八　十善道と出家者の生活規則
九　十住毘婆沙論の在家菩薩の戒
一〇　出家菩薩の戒
一一　大智度論の立場

第二章　大乗戒と十善道
一　中国仏教と戒律
二　瑜伽論の三聚浄戒と菩薩戒の関係
三　三聚浄戒と十善道
四　大乗戒と菩薩戒経

第三章　大乗戒と菩薩戒経
一　中国仏教における大乗戒の解釈
二　瑜伽論における三聚浄戒と菩薩戒
三　瓔珞の三聚浄戒と華厳経の三聚浄戒
四　菩薩戒経

第四章　初期大乗仏教の支持者としての善男子善女人
一　大乗仏教の支持者
二　菩薩と女性
三　良家の出身者
四　「善男子」と部派の関係
五　善男子の在家的性格

第五章　十住毘婆沙論における在家と出家
一　訳出の事情ならびに著者
二　十住毘婆沙論の出家菩薩の行法

第六章　初期大乗仏教における在家と出家―― とくに菩薩の三帰依について
一　部派仏教の在家者
二　出家と具足戒
三　具足戒の問題点
四　在家菩薩の三帰依

第七章　華厳経に見られる初期大乗仏教徒の宗教生活
一　仏灯明・仏帰依
二　救済仏の観念
三　問題の所在
四　菩薩の在家生活
五　菩薩の出家と仏の宗廟
六　出家菩薩の日常生活と礼仏・礼塔
七　華厳の戒
八　初期大乗仏教における真俗一貫の立場

第八章　仏教における宗教的実践の二重性、戒と律
一　問題の所在
二　戒と律の原語
三　シーラとヴラタ
四　戒の内容、増上戒学
五　律と戒の接点

第九章　懺悔とクシャマ―― 大乗経典と律蔵の対比
一　懺悔の語義
二　クシャマと懺の意味
三　大乗経典の懺悔の用法
四　律蔵における懺悔の用例
五　結び

索引