まえがき
第1章 死別という体験 (松井 豊)
1 死別をめぐる統計
2 死別研究のアプローチ
3 段階モデルと課題モデル
4 様々な悲嘆
第2章 名古屋空港中華航空機墜落事故――発生とその後の経過 (安藤清志)
1 事故発生と直後の状況
2 事故原因の調査
3 遺族会の結成
4 警察による捜査
5 損害賠償交渉と訴訟
6 遺族の活動
第3章 事故発生後の混乱 (安藤清志)
1 事故発生――安否を気遣う家族
2 遺体の確認
3 葬儀
第4章 遺族調査の概要 (安藤清志)
1 調査の概要
2 調査内容と実施手続き
3 使用された心理尺度
第5章 死別の心理的影響――第二回一般遺族調査の結果から (安藤清志・松井 豊・福岡欣治)
1 回答者
2 死別の状況
3 死別後の状況の変化
4 死別後の心理的変化
第6章 第二回事故遺族調査の結果(一) (安藤清志・松井 豊・福岡欣治)
1 質問項目と実施の手続き
2 回答者の特徴
3 事故当時を振り返る
4 主観的な生活水準の評価
5 主観的な健康状態の評価
6 直後の悲嘆
7 死別後ストレッサー
8 ソーシャルサポート
9 精神的健康
第7章 何が遺族を苦しめるのか (安藤清志・松井 豊・福岡欣治)
1 喪失の多重性
2 突然の予期せぬ死
3 回避可能性
4 捜査と裁判の過程
5 遺体確認と対面状況
6 ソーシャルサポートの減少と不適切さ
7 メディアの取材・報道
8 意味探求の困難さ
第8章 第二回事故遺族調査の結果(二) (安藤清志・松井 豊・福岡欣治)
1 自己認識の変化
2 充実感を感じる活動
3 事故後の活動
4 社会への関心
5 裁判に関する意見
6 中華航空、エアバス社、名古屋空港、国に対する要望
7 遺族間の交流、遺族会に対する考え
8 社会的活動への関心
第9章 事故遺族の心理――苦しみの先にあるもの(安藤清志)
1 心的外傷後成長(PTG)――トラウマ経験のポジティブな影響
2 成長へのプロセス
3 成長の五つの側面
4 自己開示の役割――アカウント・メイキング
5 苦悩から生まれる愛他性
6 個人の経験の社会的変容――世代継承性
7 「遺志の社会化」と継続する絆
8 遺族と社会
第10章 メディアの役割と被災者/被害者 (福岡欣治・安藤清志)
1 事故・災害におけるメディアの重要性
2 事故・災害の発生とメディア
3 被害者/被災者を傷つけ得るものとしてのメディア
4 被害者/被災者にとって意味のある取材と報道
5 ジャーナリストの惨事ストレス
第11章 遺族と社会――「忘れない」ための心理学 (安藤清志)
1 積極的傍観者としての「未災者」
2 誤解と無力感
3 公正世界信念
4 死の恐怖
5 モラル・ライセンシング
6 共感・思いやりと援助
7 おわりに
特別寄稿 今、感じていること (永井祥子)
あとがき
文献