「発達障害」は、2022年に「神経発達症群」と名称が変わりました。
同様に、「発達障害」に含まれていた、ASDの名称も「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)」から「自閉症スペクトラム症」と変わり、ADHDの名称も「多動性障害(注意欠陥多動性障害)」から「注意欠如多動症」と名称が変わっています。
これはつまり、これまでの「障害」という固定した状態という捉え方より、より多様で変化する「症状」が注目されるようになっているのです。
さらに、こだわりや自閉などの気質を持つASDの人の3割に、不注意や衝動性などのADHDの気質がみられると報告されるなど、ADHD、ASD、HSP(High Sensitive Person)などの気質は、高い確率で共存します。
共存の組み合わせは十人十色。
病名から調べていくと、「自分にぴったり当てはまる」ということはほぼありません。
この本は、「神経発達症群(発達障害)」について、それぞれの病名よりむしろ、「体質」と「気質」の観点からその症状を成り立たせている特性に注目し、より細分化して60に分類、それぞれの特性に対する理解や接し方を解説していきます。
つまり、発達障害を症状から解剖して理解していく本です。
特に発達障害でみられるような制御の難しい個性は、千差万別、個人差も大きく、周囲からの無理解に加えて、独特の生き辛さも加わるなど多岐にわたります。
しかし、人の違いのほとんどは、体質や気質の違いによる「個性」です。
個別の良さを失うほどに人に合わせようと無理をして調子を崩すより、「ありのまま」で良いのです。
自分らしくいられるためには、オーダーメイドの工夫が必要となります。
特性に合わせた「マイルール」です。
本書では、発達障害やグレーゾーンなどの特性を持った人が直面する苦労と、それを乗り越えるための独自の「マイルール」、そして周囲の接し方を、わかりやすい1コマ漫画とともに徹底解説します。
■目次抜粋
第1章 疲れやすい16の体質
自律神経体質:季節の変わり目に不調
眼体質:眩しい光でめまいがする
耳体質:音に疲れる
睡眠体質:昼夜逆転しやすい
個人空間体質:人と近い距離が苦手
平衡体質:乗り物が苦手
第2章 ストレスを感じやすい30の気質
不注意気質:整理整頓が苦手/遅刻する/お金の管理が苦手
衝動気質:せっかちで雑になる/突発的に行動する
こだわり気質:変化が苦手/興味の幅が狭い
自閉気質:相手の気持ちがわからない/潔癖で強情
第3章 過剰適応などによる14の適応不全と支援
過剰適応:見過ごされたADHDの強迫症状
恋愛関係:異性を好きになり過ぎて嫌われた
仕事関係:職場で浮いてしまう
…ほか
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