いまの時代、不寛容な空気が社会を覆っているような気がしてなりません。自分と異なる意見、価値観を認めない人が増えています。隣国や国内の少数者、弱者を排除する言葉が後を絶ちません。
本書は、社会の寛容さを取り戻すための一助にと、文体が素敵で、ごく自然に吸い込まれてページを閉じるのを忘れさせてくれます。春夏春秋に分けられた話題が際立っています。
この本は二つの流れになっています。季節にのった森羅万象の記事は固着する心を溶かし、もうひとつの流れには、態勢によってつくられる風に従わされるのではなく、風に逆らい正すものは正す、と、そこには毅然とした著者の姿勢が脈打っています。
誰もこの船から下りられない時代に希望が湧くメッセージです。