「丈二は次男だけん、どこに行ったっちゃ、よかぞ」との父親の言葉を受けて、元宮丈二は大工になる夢を持ち、18歳で大都会に出た。上京後、建築の専門学校に入学。初めての都会での一人暮らしに悪戦苦闘しながらも、無事に学校を卒業し、建設会社に就職。東京タワーを手掛けるほどの大企業にも関わらず、おおらかな性格の丈二はこの時点でも大工を養成する会社と勘違いしていた。良き上司や先輩たちに囲まれ、懸命に仕事に打ち込む。現場で様々な経験を積み、日々努力した結果、海外への転勤の話まで打診されたが、故郷に残した父母のために帰郷を決意。「父ちゃん、兄ちゃん、後悔しとらんけんね」その決断に後悔はなかった。どんな事にも純真で真っすぐに取り組む丈二は誰からも愛された。そして、東京でお世話になった多くの人たちに別れを告げ、故郷へ戻る。丈二の10代後半から20代の青春時代を描く小説風追想記の青年篇。