女子高時代に孤独な桜子を照らしてくれた、憧れの先輩で歌舞伎役者の娘・清香。真昼でもなお輝きを失わない流星のようだったその人は、8年ぶりに浅草で偶然再会した時、探偵となっていた。清香は、ある過去の出来事から鬱屈を抱える桜子の悩みを見抜き、自身の経営する探偵事務所で助手として働かないかと誘う。桜子は清香の元で働くことになるが、やってくる依頼人の相談事は「歌舞伎座に芝居を見に行った帰りに、必ず誰かに跡をつけられるんです」など、なぜか清香の愛する歌舞伎の演目を連想するような、奇妙な謎ばかりで……。歌舞伎に見立てられた人の心の謎解きと女性たちの成長を描く、傑作ミステリ。