もともと技術文書の書き方には特有のルールがあり,これを守らないと国際的に技術情報をやり取りするうえで信頼されない事態が生じます。そして、このルールは国際標準となっており、ルールを適用することにより効果的かつ確実に読み手に技術情報を伝えることができます。
このためテクニカル・ライティングは単に技術文書に留まらず、ビジネス文書,英文一般文書を書く際にも使われており、学生や教員をはじめ、ビジネスパーソン(研究者、設計者,技術者、管理者)が各種書類を作成するときの必須の「書き方の技術」となってきているのです。
著者はテクニカル・ライティングにおける“テクニカル"の意味は「科学・工業技術」ではなく、「技法」の意味であって、Technical Writingは,“Technique for Writing"(書く技法)として解釈すべきと考えています。したがって,テクニカル・ライティングは各分野で「専門用語を使って仕事をする(目的を達成する)ための書く技術」であると著者は再定義しています。(本書p8から)