食べものには、栄養をはじめとして、
それぞれに持つ力があります。
「私たちの体は、食べたものでしかできていない」
あるいは「医食同源」といった言葉は、
すでに耳に馴染んでいることでしょう。
食材は食べた人の体に何らかの影響を及ぼします。
血や肉となり、体内を巡らせ、温めたり冷やしたりする。
体調や季節に合わせて食べものを選ぶことで、
私たちは健康になったり、
体調を良好に整えたりすることができるのです。
本書では、身近な199の食材を季節ごとにとりあげ
それぞれ、漢方面(東洋医学的見地)と
栄養面(西洋医学的見地)から解説しています。
漢方では、その食材がどんな症状に働き、
五性、五味、帰経のどこに分類されるかを紹介。
栄養学的に見た、特徴的な栄養素、GI値、
買うときの選び方も併記しました。
薬膳の基本となる食べ合わせについては、
組み合わせるとよい食材だけでなく、調理例も紹介。
また、漢方薬にもなる食材には
「漢方トピックス」をつけて、効能を解説しました。
後半は生薬事典。
おもな生薬57種をとりあげ、処方される症状や、
どんな漢方薬に使われているかなどを解説。
身近な食材や植物の延長線上にある
薬効についても学べます。