悩みや迷いを抱える教師に、信頼と対話を通じて自信と活力を取り戻し、授業と学校を前向きに変える力を与える「変革コーチング」の具体的手法。研修や人材育成にも有効。
【訳者より】
「あなたはどのような教師でありたいですか?」
この問いに、今、すぐ、はっきりと答えられますか?
学校で起こる出来事に、何か違うな、何かおかしいな、と、モヤモヤを感じながらも、日々の多忙感から、その違和感に蓋をする瞬間、あなたにはありませんか? その回数が増えれば増えるほど、恐らく、教師としての自分自身のありたい姿からかけ離れていくのでしょう。もがけばもがくほど、ないこと(例えば学校にお金がない等)に目が向き、そこを責め、結局、自分の無力さに打ちひしがれます。
この本を読み進め、「コーチング」について理解すればするほど、いくつかの不思議な現象が身の回りで起きてきます。まず、自分が出来ることを出来る範囲でやってみよう、というエネルギーが自分自身の中から湧いてきます。実際に自分ができることを出来る範囲で、落ち着いてやっていると、それに賛同して一緒に手伝ってくれる同志の存在に気付きます。同志が増えれば増えるほど、少しずつ学校全体の風土が変ってきます。そうすると、モヤモヤを感じる瞬間が、いつの間にか減っています。
何より、嬉しいことに、「教師」という仕事の奥深さを再認識できるようになります。一人ひとり全く違う多様な子ども達それぞれを支援でき、それぞれの成長の過程に立ち会うことができるこの職業をとてつもなく愛おしく、誇らしく思えるようになります。そして、この一連の余波が結果として子ども達にとてつもなく良い影響を及ぼします。生徒も教師も自分は大事にされていると感じ、思いやりに満ちた、居心地の良い場所になります。これこそが筆者が推奨する「変革コーチング」のなせる技です。
あなたも、この本を手に取って、「コーチング」のパワーを是非実感してください。そしてどのように変化したか、共有しませんか?
(訳者・江濵悦子)