【概要】
明治から昭和へ――。
近代日本社会の胎動とともに、日本語も新たな相貌を求められた。
その渦中で青春を過ごした27人の詩人たちの作品を、成立背景とともにたどる珠玉のアンソロジー。
「詩を書くことそのことが、すでに受難にほかならない」と語る詩人が選ぶ詩編は、いずれも切実で胸を打つ。
同時に、もっとも美しい日本語に触れるための格好のテキストでもある。
【目次】
森鴎外 ミニヨンの歌
北村透谷 一点星
島崎藤村 潮音
薄田泣菫 ああ大和にしあらましかば
蒲原有明 智慧の相者は我を見て
上田敏 嗟嘆(といき)
与謝野寛 誠之助の死
正岡子規 惜春十首
高浜虚子 老春十五首
斎藤茂吉 をさな妻
石川啄木 はてしなき議論の後
北原白秋 夜
木下杢太郎 沖の帆かげ
萩原朔太郎 春の実体
室生犀星 洲崎の海
日夏耿之介 海の市民
堀口大學 椰子の木
高村光太郎 地上のモナ・リザ
宮沢賢治 風景観察官
村山槐多 血の小姓
中原中也 少年時
伊東静雄 燕
三好達治 艸千里浜
中野重治 たんぼの女
金子光晴 洗面器
釈迢空 しかすがに ひとり思へば
西脇順三郎 正月
オルペウス──おわりに
関連年表
平凡社ライブラリー版 あとがき