生誕100年!
20世紀を代表するフランスの哲学者、
ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze, 1925-1995)。
難解で知られる彼の哲学は、どのようにして
数々の常識を打ち砕き、世界の見え方を変えたのか。
「内在」、「生成」、「リゾーム」をはじめとする概念を
豊富な具体例から解き明し、その核心に一挙に迫る。
ドゥルーズにたどり着けない人たち、
本気で読もうとしている人たちに力を与える入門書。
【目次】
まえがき
第一章 内在の哲学
1 二元論と二項対立
2 善悪の彼岸へ――ニーチェから
倫理とはなにか/道徳的誤謬推理
3 超越と内在――スピノザ
外部のない世界/世界を肯定する術
4 存在と生成
流動する世界をつかまえる/世界の折り目としての自己/存在の一義性とはなにか
第二章 生成の秘密――少女に手を引かれて
1 生成はなぜ女のものなのか
少女の軽さと少年の重さ/女性への生成/生成とはなにか──物理学と魔法/条理空間と平滑空間/分子状とモル状/子どもの秘密
2 歴史/四人の「女になる」こと
あるおぞましい事件の思い出
『アテナイの学堂』にひそむ異質性/私的思想家の孤独
完全な忘却――もう一つの殺害について
誰のものにもならないもう一つの生き方
「異例」の生き方/ヴォルテールとモーペルテュイ/出来事の此性/友の此性/戦争機械/皮膚の美学)
一五〇〇年の溝を埋める――永遠不変神話の解体をもって
祖国という名の浮力/永遠と愛情/未知の物質へ/すべては終わるのか/生成の秘儀)
第三章 リゾーム、フィローム、アジャンスマン
1 リゾーム、リゾーム――パラダイムの潮目
森の進化論/木々の互酬性/リゾームとはなにか/強度量とはなにか/共生とはなにか/森に意志はあるか/植物たちについていく
2 機械状フィローム
ピョーンとジャンプする虫/トビムシのはたらき方/フィロームとはなにか、アジャンスマンとはなにか/シモンドンによるなぞなぞ/地衣類への生成
3 脱領土化
感覚の脱領土化/資本主義とはなにか1──キノコ狩りという名のクエスト/資本主義とはなにか2──暗躍するアフリカ人ブローカー/ゆるやかな友愛
あとがき