におい、音、手ざわり、そして電子機器の画面の明るさまで──。資本主義と技術は五感を商品にし、日常の体験そのものを設計してきた。都市空間とデパートがもたらした新しい消費行動の感覚、ガラス、プラスチック、セロハンなどの新素材による衛生観の更新、パック旅行やテーマパーク、「パノラマ」やVRまで、身近な事例で百年超の軌跡をたどる、新しい学問分野「感覚史」の入門書。われわれが当然だと思っている「感じ方」は、いつ、だれによって作り替えられてきたのか。世界の見え方、聞こえ方をアップデートする、現代をとらえ直す一冊。
【目次】
はじめに
第1章 感覚史への扉
第2章 都市空間で感じる「モダン」
第3章 感覚を科学する
第4章 素材が変える感覚
第5章 感覚をデザインする
第6章 感覚体験の商品化
第7章 ヴァーチャルな感覚と身体
第8章 感覚の政治性
あとがき