[序文]鏡としての日本文学―交響する中日古典◉張龍妹
第1部 漢詩文と仮名文学
「徳」の文学と「あはれ」の文学◉張龍妹
回文和歌と「釈教歌」の水脈――「ながきよの とをのねぶりの みなめざめ」の謎を解く◉渡辺秀夫
「凌雲集序」再論――文体の視点から◉王格格
『扶桑集』部類項目再検討◉廖栄発
菅原定義勧学会詩序考◉李筱硯
『うつほ物語』俊蔭流離譚における「風」――神仙譚の視点から◉趙小菁
『源氏物語』大君物語における女性主体の叙述―「男せざりし人」型の脱構築◉馬如慧
日本史書における編年体の変容――『栄花物語』を考えるために◉彭溱
[コラム]平安文学における「身」の意識◉高木和子
第2部 説話文学と軍記物語
仏伝文学と龍の形象――『釈氏源流』を起点に◉小峯和明
仏典の「僧と美女」の物語の中日における伝播と変容◉趙季玉
説話文学に見る孔子とその弟子たち◉尤芳舟
『今昔物語集』と唐代伝奇における女盗賊の比較◉邱春泉
東アジアにおける「二十四孝」の資料整理と文字校正◉趙俊槐
『大倭二十四孝』における継母への孝行の欠如◉盧俊偉
『太平記』における中国謀士の武人化変容◉艾宇博
歴史はいかに語られるか――朝鮮軍記物における「美人殺し」逸話をめぐって◉覃思遠
[コラム]ミサキについて◉多田一臣
第3部 古典から近代へ
芥川龍之介『支那游記』に登場する「石黒政吉」とは誰なのか――南京督軍顧問多賀宗之宅に掛けた「田夫氏の画」の考察をかねて◉曲莉
古典をいかに再生すべきか――川端康成『古都』を読む◉岳遠坤
「国訳漢文大成」の白話小説日本語訳における「両文体」の応用◉蔡春暁
「伝統演劇」としての越劇の生成――宝塚歌劇との比較を通して◉劉嘉瑢
[コラム]張龍妹先生賛――回想『源氏物語の救済』が世に出た頃◉神野藤昭夫
編集後記◉李筱硯
日本文学との出会い――あとがきに代えて◉張龍妹
龍の妹に贈る――あとがきのあとがき◉小峯和明