総説(志野好伸)
第一章 詩について(志野好伸)
1 『詩経』
1 『詩』は誰のものか
2 詩は何を表現するものか
2 漢代の文学
1 賦は誰が書いたのか
2 賦は何を表現するものか
3 「発憤著書」するのは誰か
4 「発憤著書」は何を表現するものか
5 「序」
3 曹丕「典論論文」
1 「文」の全体像
2 作者の個性
3 一家の言
4 政治と文学
4 劉勰『文心雕龍』
1 『文心雕龍』の構成
2 志・気
5 唐宋の詩・詩論
1 詩は詩人が作るのか
2 詩人は何を造るのか
3 詩と禅
6 おわりに
第二章 書について(成田健太郎)
1 韻・法・意
2 印象と創造性・モデルとスタイル――六朝の書論から
1 風韻の欠席
2 意――作品の印象と作者の創造性
3 法と勢――モデルとスタイル
3 アウラ・極意・即場性――唐の書論から
1 風神――アウラ
2 筆法の極意
3 即場の意
4 理法・格調・イデア――北宋の書論から
1 理法の悟得
2 格調――古人の風韻
3 イデア――仮想される意
5 まとめ――董其昌の書論から
第三章 画について(塚本麿充)
はじめに――モノとテキストの生成
1 古代中国における絵画の起源とその観念
1 歴史実践の現場から
2 現れ出る形象
2 六朝宮廷コレクションの形成と絵画の認識論
1 宮廷コレクションの整理と謝赫『古画品録』
2 絵画の認識論と宋炳「画山水序」
3 影と絵画――代替物から真なるものが生成するプロセス
3 唐代の歴史観と水墨山水画の隆起
1 張彦遠『歴代名画記』と歴史観
2 山中の画家たち――荊浩「筆法記」の生成
3 水墨画の世界認識
4 北宋宮廷コレクションと言葉の問題
1 郭煕と郭思――『林泉高致集』と親子の物語
2 北宋宮廷コレクションと目録
3 士大夫たちの収蔵論・鑑識論
5 文人画論――蘇軾、趙孟頫、董其昌、石濤
1 北宋士人の題跋とテキストの自立
2 趙孟頫から董其昌へ――文人絵画論の完成
3 石濤と「我」――近代性への自覚
おわりに――二十世紀の筆墨論
余説
芸術と技術(志野好伸)
索引