牧師の長女マチルダは、赤い髪に緑の瞳が印象的な娘だ。
凡庸だが気立てがよいので、何度かプロポーズされたこともある。
けれど、26歳の今日まで誰にも心を動かされることはなかった。
いつか心から愛せる男性が現れるような気がして
だからミスター・スコット=サーロウを教会で見かけたとき、
思わず息をのんだ。マチルダはまさしく一目で恋に落ちたのだ。
恋しさが胸にこみ上げてきて、普通ではいられなかった。
しかしすぐに、その想いは一方的なものだと気づいて落胆する。
美しい、お似合いのフィアンセが彼のとなりにいたから。