NewtonとLeibnizによって創始された微積分学は、関数を微小部分に分解・分析し(微分学)、その後に微小部分を結合する(積分学)という近代科学の精神を最も顕著に表しており、あらゆる科学技術・工学の根幹を成している。本書は理工学的視点に立ち、工学への応用面で必要な概念と定理をできるだけ網羅することを目標として書かれた一冊。 第1章「基礎概念」では、解析の土台となる実数の公理、数列と級数、関数の極限・連続性の定義と初等関数について説明する。第2章では1変数関数の微分の基礎的な性質を解説し、続く第3章では多変数関数に拡張した議論を行い、偏微分と全微分について詳述している。第4章では、1変数のRiemann積分について、微分と積分の関係を与える微積分学の基本定理を説明した後、結果を多変数に拡張して解説する。