本書は、ドキュメンテーション研究における初の包括的入門書である。
歴史的背景と理論的基盤を整理し、学術研究のみならず社会各領域の実践に適用可能な補完的アプローチを提示する。
作曲家、作家、画家、歴史家、政治活動家、福祉機関――これらはいずれも、世界と交わるためにドキュメントを生み出す。本書は、この6つの事例研究を通じ、ドキュメンテーション、コミュニケーション、インフォメーションの絡み合う過程を分析し、主体・手段・成果の関係を明らかにする。
この分析モデルは、人文・社会科学から自然科学・工学・デザインに至る諸分野に有効である。
原著者はドキュメンテーション研究の第一人者であり、アーカイブ・図書館・博物館の専門家はもとより、医療・交通・教育・生産・流通において文書を扱う実務家にとっても必携の理論的枠組みを提供する。
「2025年 ASIS&T 最優秀情報学図書賞 受賞」