法哲学は法学と哲学という二つの領域にわたる学問分野です。その学習・理解のためには、いずれの領域の最小限の知識も必要ですが、この分野で特に熱心に論じられている諸問題に関する知識が不可欠です。(中略)さいわい現在の日本では法哲学のすぐれた概説書が何冊も存在しますが、その一方、明治以来研究の歴史が長いにもかかわらず、これまで法哲学の事典は存在しませんでした。海外でも法哲学の事典はごく僅かしかないようです。このような状況で、日本で初めて法哲学の事典を刊行できることになったのは大きな喜びです。
本書の方針としては、各項目見開き2 ページの中項目事典の形をとりました。また各項目の内容は現在の学界の知見を簡潔かつ明晰に述べることを目標としました。(中略)この事典は第一に、学生が学校でレポートや小論文を執筆する際の助けになることを意図したものですが、内容は専門的な事柄にわたる部分も少なくないので、法学・哲学の研究者にとっても十分有用だと期待しています。できれば興味に応じて気の向くまま拾い読みすることが、法哲学に親しむ一つのよい方法かもしれません。(後略) (「刊行にあたって」より一部抜粋)