国立文化財機構 文化財防災センター監修による、文化財防災を総合的に学ぶための一冊。日本は地震、台風、豪雨などの災害が多発する国である。災害が起こればその地にある文化財も被災する。混乱する状況の中で、いかに文化財をまもってきたのか、そしてこれからどのようにまもっていけばいいのかを本書では総合的に概観する。
本書では文化財防災の体制づくりの歩みから、各組織・団体の取組み、文化財防災センターを中心としたネットワークの構築、被災した文化財の応急処置の方法までを丁寧に解説。被災した文化財を活用するという視点、具体的な事例とともに紹介する。
災害を完全に避けることは難しいかもしれない。しかし、適切な備えと知識があれば、その被害を大きく減らすことができる。文化財は、ときに地域へ希望をもたらす存在にもなる。本書をもとに、多くの文化財がまもられ、未来へと受け継ぐ一助となることを期待する。