ノーベル賞受賞者ロジャー・ペンローズの下で学び,視覚的・直観的な解説で定評のあるT. Needhamが,微分幾何学と微分形式を幾何学的(ビジュアル)な観点に重きをおいて解き明かす.全5幕構成のうち,第1幕から第4幕では,ニュートンの幾何学的方法と著者独自の図によって,微分幾何学の古典的成果を直観的に捉えなおす.大域的ガウス–ボンネの定理の 4 通りの幾何学的証明,ガウスの「驚異の定理」の簡潔な証明,n次元多様体におけるリーマン曲率テンソル,一般相対性理論とその応用(重力波・ブラックホール・宇宙論)などを扱う.第 5 幕では,初学者にも親しみやすい形で微分形式を導入し,ベクトル解析における積分定理の統一,2 形式によるマックスウェル方程式の記述,ドラーム・コホモロジー,カルタンの動標構法に基づく微分幾何学,曲率2形式を用いたリーマン曲率テンソルの計算を解説する.基礎的な微分積分と幾何学の知識を前提に,微分幾何学と微分形式の見方を刷新する一冊である.