はじめに
第1章 学歴社会の基本理念——学歴社会と学力(1)
1 急速な高学歴化
2 学歴社会を支える理念とその条件
3 身分社会から学歴社会へと転換するための条件
4 学歴の諸側面
5 日本はどのようにして〈学歴社会=能力(業績)社会〉へと転換したのか
6 職業的地位を学歴に応じて配分する具体的な過程について
第2章 エリートの近代化——学歴社会と学力(2)
1 学歴社会の経済的側面
2 日本社会におけるエリートの構成と変遷
3 学歴社会は能力(業績)社会なのか
第3章 学力論の展開——学歴社会と学力(3)
1 「学力低下」論の構造
2 日本の学歴社会の展望
第4章 学校で起こる問題を捉える視点——ネットいじめの実態を通して
1 「ぼっち」化する若者と「つながる力」
2 現代の子どもたちを取り巻く「息苦しさ」
3 島宇宙とマスク文化——つながりをあおられる子どもたちのリスク回避
4 大規模調査からみる高校生のネットいじめの実態
5 学力とネットいじめの関係
6 価値観や文化の葛藤が生じやすい学校という場
7 ネットいじめを抑止するために
第5章 子どもの貧困と教育支援
1 日本における子どもの貧困の実態
2 貧困とは何か
3 貧困の帰結としての重複する不利とその要因
4 子どもの貧困対策としての学校のプラットフォーム化
5 子どもの貧困対策と教育支援
第6章 少年非行と教師の関わり
1 日本における少年非行の現状
2 少年非行に対する社会学的アプローチ
3 児童生徒の規範意識と教師の関係
4 今後の少年非行とその指導・支援
第7章 リスク社会における教育格差問題
1 リスク社会の進展
2 教育をめぐる格差問題
3 日本社会における教育費負担の考え方
4 変化の激しい社会を生き抜くための学力形成
5 子どものリスクとしての貧困問題と学力保障
第8章 マイノリティの学力問題
1 いまのあなたの実力は,あなたそのものではない
2 学力問題を捉える視点
3 学校の挑戦
4 頑張る学校のジレンマ
第9章 学校危機管理
1 リスクと危機管理
2 学校危機管理=学校安全の基本的考え方
3 事例から考える学校安全危機管理——災害安全に着目して
4 学校ぐるみ,地域ぐるみによる安全の実現
第10章 学校における多職種協働と教員の役割——生徒指導に注目して
1 生徒指導に関わる職種の多様化
2 多職種の配置による教員の役割の変化
3 協働のために何をすればよいのか
第11章 地域社会と教育
1 教育を取り巻く様々な思想
2 地域の教育力
3 地域で支える学校づくり
第12章 子どもの成長を支える「地域の教育力」とは——子どもと地域の大人のつながりがもつ教育効果の分析
1 いま,なぜ地域の教育力に注目するのか
2 地域社会が果たす教育上の役割とその変容
3 子どもを取り巻くつながりがもつ教育効果の検証
4 地域の教育力の分析とその知見
5 子どもが地域の大人から得る「栄養分」
第13章 ジェンダーと教育
1 教育の分野におけるジェンダー・ギャップ
2 教育制度に埋め込まれていたジェンダー
3 学校文化とジェンダーの再生産機能
4 ジェンダーの多層性とセクシュアリティの複雑性への視点
第14章 カリキュラム改革の社会学
1 授業が変わる 入試も変わる
2 理想の教育活動や授業からカリキュラム改革を考える
3 カリキュラム・マネジメントと学校責任論の強化
4 家庭環境による学力や学習意欲の格差と家庭責任論の強化
5 カリキュラム改革と教師の役割
索 引