はしがき
序 ヨーロッパの新しい時代の入り口に
第Ⅰ部 西 欧
第1章 イギリス
1 変わりゆく政党政治と議会
2 小さな福祉国家
3 多様性と制限的な移民・難民政策
4 アメリカとヨーロッパとの間で
5 EU離脱
6 イギリスはどこに向かっているのか
第2章 アイルランド共和国と北アイルランド
1 曖昧な国境と2つの政治制度
2 「ケルトの虎」と社会の近代化
3 「グローバル・アイリッシュ」をキーワードに目指すソフトパワー
4 外交を通じた独自のアイデンティティの模索
5 南北に生じる新たな亀裂——急進主義か保守主義か
6 西ヨーロッパの異端児からの脱却を目指して
Column1 スポーツを通して見るナショナル・アイデンティティ
Column2 アイルランド島の言語
第3章 フランス
1 強力な大統領と政治勢力の左右二極化
2 大きな福祉国家の経済・福祉政策
3 ヨーロッパの一大移民・難民受け入れ国
4 欧州統合の推進
5 マクロン政権の誕生
6 マクロン政権の位置づけと展望
Column3 ムスリムとの共生——イスラム・スカーフ事件とは何か
第4章 ドイツ
1 政治の仕組み
2 変容する福祉国家
3 「移民国」への道のり
4 外交・安全保障政策の連続性と変化
5 脱原発政策
6 右翼ポピュリズム政党の台頭
第5章 スイス
1 多文化・多言語国家を可能とする政治
2 小さな政府の経済・福祉政策
3 武装中立とヨーロッパ統合
4 外国人問題と移民・難民政策
5 展 望——外国人問題とEUとの協調
第6章 オーストリア
1 オーストリア政治の伝統と変化
2 転換期の社会パートーナーシップ
3 移民・外国人の社会統合と政治参加問題
4 岐路に立つ中立政策
5 オーストリアのナショナル・アイデンティティ
6 2017年総選挙——右派ブロックの躍進と多数派民主主義
第7章 ベネルクス
1 1つのベネルクス
2 ソブリン危機からの回復を目指して
3 「テロの温床」とよばれて
4 欧州統合の中心として
5 ベルギーの国家改革の是非
6 自治と共存の矜恃
Essay1 ルクセンブルク
第8章 バチカン市国
1 最古にして最小
2 資金と国際NGO
3 人の移動への関与
4 軍隊なき最強の外交
5 注目の政策
6 宗教国家と科学
Column4 先進国の途上国への「過重債務帳消し」でU2・ボノとの協力
第Ⅱ部 南欧・北欧
第9章 イタリア
1 2つの共和制と政治
2 家族を軸とする福祉
3 後発移民受入国としてのイタリア
4 大西洋主義とヨーロッパ主義からなる外交・安全保障政策
5 5つ星運動の台頭と変わりゆく第2共和制
6 展 望——政治不信と欧州統合
第10章 スペイン
1 地方分権と中央集権
2 独裁の「遺産」と欧州モデル
3 移民の送り出しと受け入れ
4 欧州のなかのミドルパワーか
5 カタルーニャ州の独立問題
6 多様性,マルチガバナンス
第11章 ポルトガル
1 植民地帝国の崩壊と民主化
2 民主化後の政治経済
3 外交・安全保障——旧植民地諸国および欧米諸国との関係を中心に
4 移民政策——投資ビザ制度の導入
Essay2 ギリシャ
第12章 北 欧
1 北欧諸国の概要
2 北欧モデルの福祉国家
3 移民・難民政策
4 外交・安全保障
5 ジェンダー平等から子どもの権利へ
第Ⅲ部 中・東欧
第13章 ブルガリア・ルーマニア
1 「ポスト共産主義」の政治
2 「ヨーロッパへの回帰」を目指して
3 政治腐敗との闘い
4 「実質なき形式」?
第14章 旧ユーゴスラヴィア
1 繰り返される統合と分裂
2 外交政策と移行期正義
3 持続的な政治的安定に向けて
第15章 ハンガリー
1 体制転換への歩み
2 体制転換後の政治
3 経済・福祉政策
4 国境における人の移動
5 体制転換後の外交・安全保障政策
6 難民問題と2018年総選挙
7 今後の展望
第16章 チェコとスロヴァキア
1 似ているけれど違う?——2つの国の比較
2 対照的な「近代化」
3 民主化とEU加盟のリアリティ
4 EU加盟後の変化と政党の変質
5 欧州の「危機」と小国の戦略
6 1989年の遺産と民主主義
第17章 ポーランド
1 体制転換後の選挙の動向
2 「法と正義」政権の経済・福祉政策
3 移民の2つの流れと消極的な難民政策
4 重層的でバランスのとれた外交・安全保障政策を目指して
5 ポーランドの地政学——MD配備問題
6 EUの内のポーランド
第Ⅳ部 旧ソ連地域
第18章 ロシア
1 混乱から安定へ
2 資源に依存した経済
3 「大国」の復活を目指して
4 移民大国ロシア
5 愛国主義による統合は持続可能か
第19章 ウクライナ
1 政治制度と政治史
2 移民の送り出し,通路,避難民
3 「狭間」の外交・安全保障政策
4 産業構造の転換?
5 忘れられた紛争?
6 持続可能な国民国家に向けて
第20章 バルト諸国(エストニア・ラトヴィア・リトアニア)
1 3カ国の歴史的背景
2 異なる民主制の様相
3 経済・福祉政策
4 移民・難民政策
5 足並みを揃える外交・安全保障
6 政治化される各国の歴史認識問題
7 今後の展望
Essay3 モルドヴァ共和国
第Ⅴ部 EUとトルコ
第21章 E U
1 欧州統合の歴史
2 EUの政治制度
3 ギリシャのツケを誰が払う?
4 EUは移民・難民とどう向き合うか
5 テロとの戦い
6 ポピュリズムとEUの将来
第22章 トルコ
1 「民主化」の道のり
2 新自由主義と「公正」のあいだ
3 変化する人の流れ
4 対外関係の「多角化」
5 体制変革か権威主義か
6 個人への権力集中
現代ヨーロッパ政治略年表
人名・事項索引