フランクルの思想は、強制収容所で生まれたものではなかった。それは、青年時代に情熱を持って取り組んだ青少年相談の活動などで育まれたのである。本書は、一七歳から三〇代後半まで、若きフランクルが取り組んだ仕事とフランクルの思想、ロゴセラピーのルーツをうかがい知ることができる、貴重な初期論集。フロイトの推薦で『国際精神分析学誌』に掲載された「身振りによる肯定と否定」、アドラーの『国際個人心理学誌』に掲載された「心理療法と世界観」など、本邦初訳となる文献が収録されている。 原著:Frankl, V. E., Vesely-Frankl, G.(hg.), Frühe Schriften 1923-1942, Verlag Wilhelm Maudrich, 2005.