中世的武具の成立と武士

序章 武器・武具研究の現状と本書の課題／大鎧の成立（中世の甲／古代の甲／考古学からのアプローチ／有職故実からのアプローチ）／「刀」についての一考察（「刀」の和訓／中世の「刀」の機能／『今昔物語集』の「刀」と「たち」／古記録の「刀」と「たち」／打刀／「たち」湾刀化の時期）／長刀源流試考（「なぎなた」の表記／長刀の構造的特徴／長刀の初見記事／「ほこ」と鑓／鯰尾槍／冠落し造・鵜首造と鯰尾槍）／付論1　「茅ノ葉ノ如ナル」長刀について／手鉾について（『平家物語』の手鉾／手鉾の構造と機能／絵巻にみえる手鉾／手鉾の遺品）／中世武士論の一前提―律令制下における弓箭の位置（中央の武官と弓箭／軍団兵士と「便弓馬者」／九世紀軍事改革と「便弓馬者」／律令制下の武器／律令制下の武器管理／兵仗禁止令／弓箭―武官から武士へ）／公家の弓箭（弓箭儀仗化の時期／律令制下の弓箭の具体像／儀仗の弓箭の具体像）／武器からみた中世武士論（九・一〇世紀軍事改革と軽装騎兵（戸田芳実氏の武士論／戦術革命論（下向井龍彦氏の武士論）／都からの武士論（高橋昌明氏の武士論））／付論2 「射向ノ袖ヲ真向ニ当テヨ」を検討する／南北朝期の戦闘―中世的武具の行方（南北朝期戦闘の諸説／『太平記』の打物戦／『太平記』の弓箭戦／武器の下剋上／『太平記』の組討戦／結びにかえて―室町期以降への見通し））