序――演劇のなかの戦争、アーカイヴのなかの演劇(近藤つぐみ)
第1部 戦争当事者世代の劇作家たち
1 三好十郎と〈戦争〉――なぜ三好戯曲は上演され続けるのか(後藤隆基)
2 菊田一夫の『ひめゆりの塔』――宝塚と菊田の戦争協力と「贖罪」(松本俊樹)
3 福田善之の戦後派焼跡演劇と焼跡音楽劇(高橋宏幸)
第2部 焼け跡世代の劇作家たち
4 別役実と原爆/戦争/天皇(岡室美奈子)
5 戦争は知らない――焼け跡世代の劇作家が描く戦争(矢内有紗)
6 原爆を扱った井上ひさし作品における「言葉」と「再生」――『父と暮せば』『少年口伝隊一九四五』を題材に(稲山 玲)
第3部 2000年代以降の演劇と戦争
7 フィクションの力を借りて加害者の顔に光をあて、本当の始まりを探す(徳永京子)
8 日本の現代演劇における想起/忘却のポリティクス──あるいは戦争の記憶とツアー・パフォーマンスをめぐる一試論(関根 遼)
9 軽さと重さの反転――書かれた物語としての『ライカムで待っとく』(近藤つぐみ)
第4部 日本の演劇界と戦争の距離
10 劇作家は戦争とどう向き合ったか――戦後演劇から野田秀樹へ(内田洋一)
11 鑑賞行為の猥褻さを超えて――現代演劇における戦争の表象と距離(關 智子)
結びにかえて――「戦争体験」から「戦争演劇」まで(児玉竜一)