はじめに
序章 「小資」を構築する
第1節 現代中国の都市新中間層
第1項 都市新中間層の誕生と勃興
第2項 都市新中間層に対する表象・認識
第2節 都市新中間層をめぐる「小資」の構築
第1項 社会変動を刻印する「小資」の構築
第2項 表象実践として捉えられる「小資」の構築
第3項 「小資」の構築からみる中国の近代化
第3節 都市新中間層に関する先行研究
第1項 欧米・日本の新中間層研究
第2項 中国の新中間層研究
第3項 「小資」研究
第4節 研究資料と構成
第1部 「小資」概念の変容:都市新中間層との結合
第1章 「小資産階級」概念から「小資」概念への変容
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第3節 研究方法
第4節 「2つの階級、1つの階層」の変遷にみる「小資産階級」の実態
第1項 「2つの階級、1つの階層」の形成(1956年以前)
第2項 「2つの階級、1つの階層」の序列化の深化(1957年-1977年)
第3項 「2つの階級、1つの階層」の解体(1978年-1980年代)
第4項 新たな階層構造の形成(1990年代以降)
第5節 階層構造の変動と絡み合った「小資産階級」イメージの変容
第1項 知識人層を批判する「小資産階級」イメージの汚名化(1956年以前)
第2項 政治闘争による「小資産階級」イメージのラベリング化(1957年-1977年)
第3項 「小資産階級」イメージの脱ラベリング・脱汚名化(1978年-1980年代)
第4項 「小資産階級」から「小資」への変容(1990年代以降)
第6節 結論
第2部 「小資」概念の展開:都市新中間層のメディア文化の創出
第2章 「小資」文化の担い手の文化資本獲得
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第1項 文化資本の定義・役割
第2項 学校での文化資本の獲得様式
第3節 研究方法
第4節 文化資本の獲得:教育制度の面から
第1項 文化的再生産の遮断と再興
第2項 高等教育改革
第3項 エリート大学生から都市新中間層へ
第5節 文化資本の獲得:学生文化の面から
第1項 知識人的ジャーナリズムがリードした「文化熱」
第2項 学生文化のなかで獲得した文化資本
第6節 結論
第3章 「小資」文化の生産体制の整備
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第3節 研究方法
第4節 「小資」文化を生産するメディア体制の構造
第5節 エリート大学生のメディア従事者の役割
第1項 中産階層的雑誌・新聞におけるメディア従事者の役割
第2項 ポータルサイトにおけるメディア従事者の役割
第3項 「小資」図書におけるメディア従事者の役割
第6節 結論
第4章 「小資」文化の「中間性」の規定と相対化
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第3節 研究対象
第1項 「小資」文化の生産に取り組んだ『上海壹週』
第2項 高尚な文化的趣味を育成する出版文化
第4節 『上海壹週』における都市新中間層的ジャーナリズムの形成
第1項 エリート大学生による経営方針
第2項 エリート大学生による編集方針
第5節 『上海壹週』における「小資」文化の差異化
第1項 「機関紙文化」との差異化
第2項 「小市民文化」との差異化
第6節 結論
第3部 「小資」概念の衰退:都市新中間層との乖離
第5章 マスメディアにおける「小資」概念の衰退
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第3節 研究方法
第1項 批判的言説分析
第2項 『南方都市報』・『広州日報』・『羊城晩報』に関して
第4節 消費社会化の中の都市新中間層
第5節 三大紙における「小資」言説の変容
第1項 「小資」言説の操作化
第2項 「小資」言説の萌芽期(2001年-2005年)
第3項 「小資」言説の発展期(2006年-2012年)
第4項 「小資」言説の衰退期(2013年-2019年)
第6節 結論
第6章 ソーシャルメディアにおける「小資」概念の衰退
第1節 問題提起
第2節 研究視角の検討
第3節 研究方法
第1項 「豆瓣網」における「小資」文化
第2項 研究資料と分析方法
第4節 社会的コンテクストと絡み合った「豆瓣網」
第1項 技術
第2項 法制度
第3項 産業構造
第4項 組織構造
第5項 職業経歴
第6項 市場
第5節 「豆瓣網」における「小資」文化の変容
第1項 評論文を中心とする映画コンテンツ生産(2005年-2008年)
第2項 ランキングを中心とする映画コンテンツ生産(2009年-2019年)
第6節 結論
終章 「社会転型」のなかの「小資」
第1節 「小資」の構築のメカニズム
第2節 「小資」の構築と社会変動の圧縮性
第3節 都市新中間層の大衆化現象の解明にむけて
あとがき
初出一覧
参考文献
付表1 『上海壹週』の各コラムに掲載されるコンテンツの詳細
付表2 三大紙における記事の内訳