序章 「中国」の「平和及び安全」
本書の問題意識
学術議論の整理
戦後国際秩序――二元一体構造の変容
政治力学としての「安全保障化」
第Ⅰ章 「中国」の“戦後”構想――国連創設と戦後処理
はじめに
連合国戦争犯罪委員会での模索――過去に対する自己正当化
極東太平洋小委員会での定礎――過去、そして現在に対する自己正当化
ダンバートン・オークス会議での飛躍――未来に対する自己正当化
おわりに
第Ⅱ章 国連の「中心」を目指す中国――「中国代表権」問題をめぐる非同盟会議と対外援助
はじめに
2つのアジア・アフリカ連帯運動――国連の「周辺」からの胎動
1960年代の国連の変容――東西・南北対立と「中国代表権」問題
だれが中国の「安全」を保障したのか?
おわりに
第Ⅲ章 国連の「中心」による「平和及び安全」――国際平和(維持)と活動と国益の対峙
はじめに
「中国脅威論」の膨張と変質――日本世論への波及
中国連の目的と平和(維持)活動――法文規定なき平和維持の授権者
中国による国連平和(維持)活動の黎明――慎重姿勢の背景
中国の「国際の平和及び安全」の維持――積極姿勢の背景
おわりに
第Ⅳ章 中華世界の復興と国際秩序との相克――UNESCO世界遺産をめぐる政治力学
はじめに
UNESCO世界遺産「行政」をめぐる政治的相克
UNESCOにおける中国とその世界遺産政策
おわりに
第Ⅴ章 安全保障としてのグローバル・ヘルス――WHOにおける「中国」の恣意性
はじめに
国連における中国プレゼンス――台湾排除の合法性と合理性
台湾のWHO「参加」――説明変数としてのグローバル・ヘルス?
グローバルヘルス・ガバナンスをめぐる「中国方案」
おわりに
終章 中国の「国際の平和及び安全」にある不変と普遍?
「国際の平和及び安全」という目的と原則、そして「正義」
中国の「国際の平和及び安全」
中国の「国際の平和及び安全」にある不変
中国の「国際の平和及び安全」にある普遍?
あとがき
参考文献
図表一覧