• 発売日:2025/11/06
  • 出版社:明石書店
  • ISBN:9784750359908

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ホモ・ロクエンス

ホモ・ロクエンス

通常価格 3,850 円(税込)
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商品説明
人間言語の誕生、抽象的概念を表象する文字や図形の発明、ライプニッツ、英国〈王立協会〉、ポール・オトレらによる知の普遍化の探究、生成AIの登場――。言語/情報を操り、五感を交錯させて豊穣な世界を形づくる、人類の驚異に満ちた比類ない軌跡を描き出す。
目次
まえがき

第一章 直立二足歩行とホモ・ロクエンスの誕生
 Ⅰ 人間言語の起源と進化
 Ⅱ 身体機能の記号化――直立二足歩行がもたらしたミュータント(1)
   工作するヒトへ――四肢から手と足への機能分化/ジェスチャーを工作する/表情を工作する/概念を工作する
 Ⅲ 言語器官――直立二足がもたらしたミュータント(2)
   言語音の生成と加工/言語音の受容と認知
 Ⅳ 脳内に潜むホモ・ロクエンス

第二章 ホモ・ロクエンスの言語をめぐる所感
 Ⅰ 人間言語とはなにか
 Ⅱ 人間言語の諸特性
   二重性/恣意性/生産性/超越性/抽象化/否定/階層性/統語規則と再帰性
 Ⅲ 団欒の言語
   肉声に寄り添う/言語を受肉させる
 Ⅳ 声の視覚化により失われるもの

第三章 記号と図形が領有する世界
 Ⅰ 事物世界の言語化と領有
   命名と領有(1)――異郷の攻略/命名と領有(2)――アイヌ民族の場合
 Ⅱ 文字と領有
   文字――音声の視覚化/視覚化された声の運搬
 Ⅲ 活字の誕生
   肉筆文字の規格化/活版印刷の組み合わせ術/活版印刷術がもたらしたもの
 Ⅳ 地図と領有
   世界を帳面に/地図化による領有/時の計測と領有
 Ⅴ 言語と地図
   言語/文化の研究が意味するもの/計測と地図化がもたらしたこと
 Ⅵ 抽象化について思うこと

第四章 学都アレクサンドリア、そしてライプニッツの図書館へ
 Ⅰ 図書館とは?
 Ⅱ 古代学術都市の諸様相
   港湾都市――物と人と知の流通インフラ/学都の誕生と発展/カリマコスの文献目録(ピナケス)――言葉と書物の組み合わせ術/文献学――論理と言語を愛する基礎科学/学都の知財の蓄積と消失
 Ⅲ ライプニッツの図書館構想
   ガブリエル・ノーデの図書館論/知を体現する図書館の設計/人知の要塞――魂と肉体のペンタグラム/場所記憶術と思考の建築/ライプニッツの造園思想と哲学の図案化
 Ⅳ ライプニッツの図書館改革
   ライプニッツの図書分類について/百科事典――事物の秩序と存在の目録/「生きた図書館」のもう一つの相/「自然と人工の劇場」としての図書館
 Ⅴ 諸学・諸技芸の実験室としての図書館

第五章 〈ロンドン王立協会〉と言語・機械的知性
 Ⅰ サミュエル・ピープスの『日記』と人工言語
 Ⅱ 〈王立協会〉と哲学言語
   暗号と人工言語の時代/概念の「見える」化――ウィルキンズの事物記号/物品目録システム?
 Ⅲ 人と知の流通と混交
   コーヒーハウスで活性化する知/観察と機械がひらいた新世界/工作と芸術
 Ⅳ 機械の驚異と数学的魔術

第六章 ポール・オトレと〈ムンダネウム〉
 Ⅰ 〈ムンダネウム〉の構想と設計
 Ⅱ オトレの普遍情報学
   オトレの書誌学思想の萌芽/デューイ十進分類法との出会い/普遍十進分類法と意味のアルゴリズム/普遍書誌総覧――膨れ上がる情報と知の再編/「本についての本」とモノグラフ原理
 Ⅲ 新しい情報メディアと人知の拡張――印刷媒体を超えて
   リーブル・ミクロフォトグラフィーク/本の科学とドキュメンテーションの拡張
 Ⅳ 普遍知ネットワークの構築へ向けて
   〈ムンダネウム〉の終焉/戦争と平和の構想をめぐって
 V H・G・ウェルズの「世界脳」構想
   恒久平和のための世界百科事典/早すぎた知のグローバル・ネットワーク
 Ⅵ ケッルラ=ムンダネウム

第七章 「リアル」と「ヴァーチャル」の狭間で
 Ⅰ 知識の分類と書誌目録
 Ⅱ 知のヴァーチャル化をめぐって
   OPAC雑感/ヴァーチャルな知識空間/インターネットの混沌と無秩序の妙/地球図書館化の夢/ヴァーチャル・エンサイクロペディアの時代
 Ⅲ 情報化時代の道具たち
   言語生成AI(チャットGPT)の登場/チャットGPTの語用論/ヴァーチャル・スペースのコミュニケーション/スマートなてのひら研究室?
 Ⅳ 身体・感覚の「リアル」に

第八章 精神を高揚させるメディアとしての博物館
 Ⅰ 展示空間と回遊
 Ⅱ 事物の空間を巡る
   集められる物と分類知――博物館バックヤード訪問/物性と照明のハーモニー
 Ⅲ 五感回遊――「感覚ミュージアム」の場合
   感覚により織りなされるもの/感覚展示のゾーニングと回遊/味覚について思うこと/小物の収納・展示に高揚する
 Ⅳ 香りの結合術――「大分香りの博物館」の場合
   香水と小瓶のメディア的効果/香りのヒストリーとケミストリー
 Ⅴ 薫物と組香――もう一つの香りのケミストリー
   薫物――仏事から芸道へ/組香――香りの結合術
 Ⅵ 展示空間から生起するもの
   鈴木大拙館訪問/結合術としての回遊/事物世界に生きること/水鏡の庭に憩う――映し合う我身と世界
 Ⅶ そぞろ歩くホモ・サピエンス

 あとがきに代えて――ホモ・ロクエンスに生まれて
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