プロローグ
第一章 ブラックであり、そして女性であること
1 性奴隷としてのブラック女性史再考対「第二の性」
2 四世代にわたるブラック女性の物語ニーナ・シモンの「フォー・ウイメン」
3 アフリカ系ディアスポラを辿る旅
4 アフリカ系ディアスポラの深淵――ブラックの女性のストーリーが生まれるところ
5 ブラックウイメンのディアスポラ編纂――マーガレット・バズビーの挑戦
第二章 奴隷制度、奴隷女性、そしてブラックミュージック創世記
1 性の監獄、奴隷船、そして女性奴隷の性の政治学――ウィンサム・ピノックの舞台
2 プランテーションにおける性奴隷と奴隷生産の連鎖――ハリエット・ジェイコブズの人生
3 奴隷制度から生まれたブラックミュージックのルーツとゾラ・ニール・ハーストンのフォークロア
第三章 黒人霊歌、ゴスペル、ブルース――ブラックの女性表現者の誕生
1 アメリカ南部のプランテーションから生まれた黒人霊歌
2 黒人教会音楽ゴスペルとオペラの融合――マリアン・アンダーソンからマへリア・ジャクソンへ
3 労働歌ブルースの誕生と女性シンガー、マ・レイニーとベッシー・スミス
4 ベッシー・スミス再来――アリス・ウォーカーの『カラー・パープル』におけるシャグ・アヴェリ
5 ジャッキー・ケイが描くブラックミュージックの軌跡
第四章 ジャズ――ブラックウイメンの闘いの舞台
1 ジャズ、暴力への抵抗歌――アフリカ系ディアスポラの一歩としてのハーレム・ルネッサンスの時代
2 トニ・モリスンの『ジャズ』におけるジャズのナラティヴ
3 女性ジャズシンガーの夢の跡――ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」再考
4 黒人教会と公民権運動――排斥されたブラックの女性たち
5 ブラックの女性によると文学と音楽の融合――ロレイン・ハンズベリーとニーナ・シモン
6 ブラック・アーツ・ムーヴメントとブラックウイメン――マリ・エヴァンズとゲイル・ジョーンズを中心に
第五章 西インド諸島から発信されたブラックミュージックの波
1 西インド諸島プランテーションにおけるカーニヴァルとダンス音楽
2 カリブの新しい音楽文化――スカ、カリプソ、そしてレゲエ
3 西インド諸島発ブラックフェミニズム創設者――ウーナ・マーソン
4 メント、スカ、カリプソに対峙した女性表現者――ミス・ルーとマヤ・アンジェロウ
5 抵抗歌レゲエと西インド諸島から声をあげる女性シンガーたち
6 ハイチクレオールのフォークロアと文学――エドウィージ・ダンティカの自由への渇望
7 イギリスに誕生した新たなブラックの女性表現者たち
8 ブリティッシュ・ブラックパンサーズの女性活動家から女性ダブポエトまで
第六章 ブラックミュージックからグローバルポピュラー音楽へ――女性の自立の時代
1 R&B、ソウル、ロックンロール――ルース・ブラウンからアレサ・フランクリンへ
2 ポピュラー音楽と対峙したブラックウイメンの時代――ディオンヌ・ワーウィックからティナ・ターナーまで
3 ソウルとロックの世界を変えたブラック女性のギタリストたち
4 アメリカ産ブラックミュージックに挑んだイギリス発のブラックの歌姫たち
5 ソウルな時代、ロックな時代の小説――バーナーダイン・エヴァリストの世界地図
第七章 グローバル社会を駆け抜けるブラックの女性の表現者たち
1 ポップスの時代、ミュージックビデオの時代とブラック女性シンガー――ホイットニー・ヒューストンからビヨンセまで
2 ナイジェリアから発信されるアフリカ系ディアスポラ文学――ブチ・エメチェタからチママンダ・ンゴズィ・アディーチェまで
3 イギリスとアメリカにおけるR&B、ソウル、ポップスと女性アーティスト未来図
4 イギリスに生まれた多様なブラックの女性作家たち――ゼイディー・スミスの葛藤
第八章 ヒップホップカルチャーの再構築――ブラックの女性のバトル
1 ストリートから世界制覇したヒップホップに挑んだブラックの女性たち
2 ヒップホップ成功秘話――ヒップホップの母、女性プロデューサーの存在
3 男性ラッパーと女性嫌い――ラップのなかの女性差別
4 男性ラッパーと性差別に対決したブラックの女性ラッパーたちと「性の政治」
5 ヒップホップフェミニズムとインターセクショナリティ
6 ヒップホップ文学――サファイアの『プッシュ』
エピローグ
参考文献