多くの高機能の当事者さえもが,いかに文字や絵などの視覚的な情報に意味や安らぎを得ているか,あるいは予期しないこと(予定にないこと)に直面したときの大きな恐れや混乱,失敗や挫折の体験による重症な二次障害の数々--ひとことで言うならば,TEACCHプログラムの原理は,これらのことを防ぎながら,私たちとどのようにして共生や協働を可能にしていくかを追求し実践するものである。第3集の本書を読まれた方々も,前2集と同様に,さらに多様な場面での活動について知見を得て,理解や認識を深めていただけると思う。自閉症カンファレンスNIPPONも,今年で第7回を迎えて,ますます盛会であることが期待されている。TEACCHプログラム・モデルが,それぞれの文化に合わせて,すでに実践されている世界45カ国と並んでわが国でも,大いに発展していくことを願わずにはいられない。自閉症の人々やその家族に,豊かな幸福をもたらすことは,世界各地の実践者が確認ずみのことである。(「自閉症のTEACCH実践3の出版にあたって」より)