★2021年ウルフソン歴史賞候補作品★
“私たちは、ホロコーストとその影響をいまだ十分には理解していない”(序章)
記憶も、名前も、家族に対する愛着も持ち得なかった者が、自分の人生を取り戻すことなど可能なのだろうか?支援機関のファイル、養護施設の記録、精神科医の報告書、未公開の回想録など、10カ国以上の史料とインタビューをもとに、かつて「幸運」とされた当時10歳以下の子どもたちが経験した「戦後」を描く画期的研究。貴重な写真も27点収録。
■章立てと抜粋
第1章 もう一つの闘いの始まり
“私のなかて闘いか始まったのは、1940年てはなく1945年なんた”(モーリッツ・C)
第2章 大人の視点
“私か泣くなと言うと、その子はこう答えた。「それならとこて泣けはいいの?」”(あるボランティアのメモ)
第3章 引き取られる子どもたち
“とこにも居場所かない、自分を大切に思ってくれる人かいないという感覚たった”(ローベルト・B)
第4章 家族との再会
“誰かが「お父さんの膝の上に乗せてもらったら?」と言うから、父の膝の上に座ったんたか、とこか感しか違った”(アンリ・O)
第5章 ヴォセル館の子どもたち
“ドイツ兵は…少女をトラックに引っ張り上けて射殺した。その話を聞くたひに私たちは思った。わあっ、なんてすてきな物語なのって”(フェリーツェ・Z)
第6章 変容
“なせもっと早く教えてくれなかったの?真実を知らされるのはいつもほかの人からだ!”(ジャッキー・Y)
第7章 トラウマ
“あの人たちは実験のために私たちを一緒にしていたのか?トイツ人か私たちを使ってあれたけ実験していたのに、また足りないというのか?”(デニー・M)
第8章 幸運と言われた生存者
“40歳になるまで、普通になろうと必死たった”(ツィラ・C)
第9章 ホロコースト生存者になる
“すっと孤独たったの。…大勢か殺されたから”(シャクリーヌ・R)
第10章 それぞれの物語
“記憶かはらはらなんた。それを使って物語を紡きあけようなんて無理たよ”(デニー・M)
第11章 沈黙
“てきるたけ過去のことは考えないようにしろと言われた。…そのとき私の人生にとれほと大きな変化か起きたか想像てきる?”(ベラ・R)
終章 最後の証人
“私の後ろには、直接あなた方に話かてきなかった600万人のユダヤ人が立っていると思ってください”(アグネス・G)