序 章 社会における時間
1 社会における時間の変容
2 社会学における時間研究と本書の問題関心
3 本書の構成
1章 古典的近代の時間
1 古典的近代以前の時間
1-1 質としての時間 / 1-2 円環としての時間と目的論的線分としての時間
2 量としての時間
2-1 数量化された時間と定時法の登場 / 2-2 時間による労働の評価と時間厳守の規律
/ 2-3 労働時間と自由時間の分離 / 2-4 世界標準時の成立と時間の空間からの分離
/ 2-5 時間による労働の分解と再編 / 2-6 時間規律の生活全般への浸透
3 直線としての時間
3-1 開かれた未来 / 3-2 社会の進歩 マンハイムのユートピア論を事例として
/ 3-3 個人の進歩 / 3-4 ライフコースの時間化
4 小 括
2章 労働の変化と時間
1 情報技術と人工知能が働き方におよぼす影響
2 正規雇用の減少と長期雇用の困難
3 テレワークの普及とその影響
4 自営的な働き方の広がりとクラウドソーシング
5 キャリアの短期化
6 労働における時間の変化
7 小 括
3章 個人の時間
1 ライフコースの脱時間化と脱標準化
2 脱時間化された状況的アイデンティティ
3 時間操作ゲームのプレイヤーとしての自己
4 規範の内面化から誘導へ
5 データベース・モデルに基づく生の技法と世界像
6 個人の進歩の変容 独自性の理想と変化した階層構造
7 小 括
4章 社会の時間
1 未来像の変容
1-1 古典的近代における未来 / 1-2 ユートピア構想の困難化
/ 1-3 非知の領域拡大と見通し可能な未来の短期化 / 1-4 社会学理論における非線形的未来
/ 1-5 併存する複数の未来像 / 1-6 制度としての未来
2 過去像の変容
2-1 一元的な過去 / 2-2 過去の複線化
3 時間軸上への時系列的位置づけから地平上への並置へ
4 小 括
5章 仮想空間と人工知能の時間
1 「直線としての時間」の変容
1-1 加工可能な時間 / 1-2 圧縮可能な時間 / 1-3 直線的な時間軸上からの出来事の切り離し
/ 1-4 ナッジや人工知能による誘導 / 1-5 短期主義化の登場
2 「量としての時間」の変容
2-1 仮想空間の拡大と人工知能の普及 / 2-2 非同期化と「交渉し取り決める時間」
3 絶対的尺度という機能の弱体化
4 デジタル・トランスフォメーションの影響
5 小 括
終 章 時間の機能のゆくえ
1 これまでの知見のまとめ
2 時間の機能のゆくえ
2-1 尺度提供機能 / 2-2 見当識提供機能 / 2-3 現実批判機能
3 結論 特権的地位の喪失と潜在化する機能